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現行保育制度を解体する「子ども・子育て新システム」って何？
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現行保育制度を解体する
「子ども・子育て新システム」って何？
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国は、公的保育制度を解体し保育の市場化をめざす「子ども・子育て新システム」を導入しようとしています。２０１３年実施に向け、来年には法案を提出。「子ども・子育て新システム」の危険な中身を紹介します。
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【営利企業が参入】
民主党政権の「子ども・子育て新システム」の基本の考え方は、「子育てを社会全体で支える」というもの。「社会全体で支える」と言う言葉は、介護保険を導入するときにも、「社会全体で支える介護」と政府は言っていました。
「子ども・子育て新システム」は、幼保一体化の名の下で、児童福祉法に基づく現行の保育制度●市区町村の保育の実施義務、●保育所最低基準による保育の質、●運営費の公的負担を解体し、営利企業の参入を促して保育を巨大な市場に変えることです。
内閣府政策統括官は、「株式会社を含む、多様な運営主体が認可保育園に参入しやすくするのが新システムの重要な課題」と発言。
【保育はどう変わる？】
来年度法案の提出に向け、民主党政権は７月「新システム」中間のとりまとめを行いました。その内容を見ると、大変な事態が見えてきます。
現行の保育は、児童福祉法の下で「保育に欠ける」児童に対する保育の実施を市区町村義務づけられていますが、「新システム」では、市区町村の義務はなく保護者（利用者）と保育所（事業者）の契約となります。
市区町村が行うことは、一人一人の子どもの保育の必要性を認定（介護保険で高齢者一人一人に介護認定をするように）するのみ。
保護者が支払う保育料は、現行では所得に応じた保育料で、自治体が徴収していますが、「新システム」では、保育の必要量によって応益負担となり保育所に支払いとなります。保育所によっては、上乗せ徴収もできるということです。
「新システム」では、株式会社、ＮＰＯ法人など多様な事業主体が保育に参入する事ができ、保育の運営費は、保育だけではなく他の会計にも繰り入れが認められ、株主などの配当にもまわすことが…。
こうした内容で、子どもの保育環境がきちんと守られるのでしょうか。
【最低基準の緩和】
保育所の最低基準（職員の資格、職員の人数、子ども１人あたりの居室面積など）は、国の下で決められています。
終戦直後に作られた最低基準は低く、引き上げ拡充が求められています。ところがこの最低基準を、都道府県の条例で決めてしまうことができるようになりました。
待機児解消の名の下で、最低基準の規制緩和を行おうというものです。東京都は、国の政省令が制定された後に、都議会に条例を提出しようとしています。
【基準の引き下げ止めて」 被災地からの切実な声】
大震災津波の被害を受けた保育園の職員の話です。地震直後、保育士たちは、背負うこともできず、０，１歳の子どもを抱き、年齢の高い子の手を引き、迫り来る津波の下で全員避難したとのこと。「何かあったとき、今の基準では不十分。職員の基準を引き下げは許せない」被災地の保育士の切実な訴えです。
【「新システム」許さない！】
現在、定例区議会が行われています。私が所属する文教・子ども委員会には「子ども・子育て新システム」に関連した陳情（国に対して意見をあげてほしいなど）が、４件提出されていました。 国が、来年にも法案を提出しようとしている局面での重要な審議。私は、陳情の採択を主張（国に意見をあげること）しましたが、共産党を除く刷新（民主）、自民、公明、独歩、ネットの継続主張で採択することはできませんでした。
ＯＥＣＤ（経済協力開発機構）は、日本の保育の「市場化」にたいし、警鐘を発しています。未来を担う子どもの保育、「子ども・子育て新システム」を許さない！大きな声を上げていきましょう。
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