2025年2月19日 令和7年第1回定例会 一般質問 斉藤優子議員
私は、日本共産党目黒区議団の一員として、区政一般について、大きく2点、7問質問します。
1 2030年に掲げた温室効果ガス削減目標は必ず達成を
まず、大きな1点目、2030年に掲げた温室効果ガス削減目標は必ず達成を、について、以下、5点質問します。
(1)環境基本計画におけるCO2削減
(1)環境基本計画におけるCO2削減についてです。
カーボンハーフの2030年までにあと5年となり、CO2削減目標も毎年少し上回る削減量を目指し、達成していかなければ、環境基本計画で掲げられた目標を達成するのが厳しい状況です。2023年3月に改定した環境基本計画では、2013年度を基準年度とし、基準年度のCO2排出量117万9,000トンから50%削減、58万9,000トンにすることを計画目標としました。基準年度の2013年度が、1990年度から温室効果ガスの排出量の中で3番目に多い年であり、COP28の世界基準からすれば低い目標値となっています。
目黒区の温室効果ガス排出量が分かる最新データは、2021年度で排出量を見てみますと94万8,000トンとなっていますが、2030年度のカーボンハーフの目標値58万9,000トンを引いた数字に対し、2030年度の達成目標年度まで残り9年で割りますと、毎年約4万トンの削減が必要となります。実際どのくらい削減ができているのかと言えば、2020年度から2021年度のCO2削減量は8,000トンしか削減できていません。
環境報告書では、削減された温室効果ガス排出量の数字は報告されているものの、目標に近づいてるという表現では、何をどうすれば毎年目標が達成できるのか、何が必要か、削減目標に対してどのくらい足りていなかったのかということが書かれていないため、危機感を共有しにくい表現になっています。
どのようにカーボンハーフを達成していくのか、残り5年の削減計画について伺います。
(2)区有施設の電力削減
(2)区有施設の電力削減についてです。
10月に都市環境委員会で、福岡県久留米市では既存の公共施設のフルZEB化を視察しました。久留米市役所では、北側にある部屋は除き、電力の削減費用対効果が大きい断熱のほかに、LED化した各部屋のスイッチ盤をオンオフだけではなく、60%、30%というスイッチもあり、電力を調整できるようになっています。
少しの工夫で費用対効果も大きい区有施設などで実験的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
(3)気候変動対策の人員体制を強めること
大きな1点目の(3)気候変動対策の人員体制を強めることについてです。
区の組織体制について伺います。温暖化対策に取り組む組織体制は、区としても温暖化対策係を設け取り組んではいるものの、気候変動による災害も多発し、今の人員体制で取り扱うには間尺に合わなくなってきていると考えます。環境保全課は、温暖化対策以外にも公害対策や公害相談、環境調査、ハクビシンやアライグマ対策など、幅広い分野を担当しています。温暖化対策係の人員体制は、ゼロカーボンシティ宣言の前と後でも変わっていません。
気候変動に対して、横断する部会を設け、クーリングシェルターの指定に取り組んだということが市民団体から聞いていますが、人類の危機と言ってもいいときだからこそ、環境基本計画の目標を確実に達成するために、専門的な知識を身につけ、先進自治体との連携、区民や民間事業者への広報や対話、ニーズの調査、国が行っている交付金事業の調査など、カーボンハーフを達成するために所管として一体制あってもおかしくない業務内容です。
気候変動対策の人員体制を強化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(4)一定規模のビルへのZEB化導入の推進
大きな1点目の(4)一定の規模のビルに対し、ZEB化の導入の推進に対する進捗と計画についてです。
2021年第3回定例会で、区内で建てられる大規模なビル建設に対して、一定規模のビルについてはZEB化を導入してもらうための働きかけを区として取り組む必要があるという質疑に対し、一定規模の新築ビルについてZEB化への働きかけは、経済産業省では、延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築物をZEB化して新築する場合には、ZEB化プランナーの支援の下で、民間ビルのオーナーに対し補助金対象経費を3分の2補助する手厚い補助制度がある。大規模建築物においては、この制度が必ずしも区事業者に十分浸透しているとは言えない状況であるため、支援制度の周知、民間ビルのZEB化を促進していくという答弁がありました。
国の補助金も年度ごとで一つの事業の補助金補助率や対象とする内容も変わってくることもあります。タイミングを逃さず、情報提供できる体制を整え、区としてしっかり指導を行うべきではないか、伺います。
(5)戸建ての太陽光発電導入の目標を引き上げること
大きな1点目の(5)戸建ての太陽光発電導入の目標を引き上げることについてです。
目黒区内の再生可能エネルギー目標値は、2021年度を基準とし、2030年度は3倍以上の再エネ自給率を目標としています。まず、カーボンハーフを達成するためには、省エネに加え、太陽光発電の導入を向上させることが不可欠です。
環境基本計画の中の温室効果ガスの削減のために対策を強化すべき一覧を見てみますと、戸建ての太陽光発電システムの導入済みと導入予定の比率が2023年度100世帯に13世帯の13%、2030年までの見込目標値が100世帯に18世帯、18.2%と5.2%増にとどまっています。
既存住宅にも太陽光発電システムや蓄電池等を設置する際には、都から補助金や区の補助金も同時に使え、導入のハードルも高くなく、メリットも大きいが、知られていません。区の補助金をさらに充実させ、太陽光発電導入目標値を前倒しし、引き上げるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
2 学校給食における有機農産物の更なる導入に向けて
大きな2点目は、学校給食における有機農産物のさらなる導入に向けてについて質問いたします。
農林水産省が昨年8月に発表した2022年度の食料自給率は、カロリーベースで38%、先進国の中でも低い基準となっています。世界の食料情勢が激変し、生産、共有、価格が不安定になる中、児童・生徒に安心・安全な給食を提供するためにも、食料自給率の向上に取り組むことは、日本政府においても待ったなしの課題として取り組む必要があります。
農家の高齢化の問題もありますが、生活が安定しないことからも離農が進んでいます。生産者にとって有機農産物を学校給食の食材として使用してもらえれば、買取りや価格や出荷が安定するため、農家も農業を続けていけるとしています。実際千葉県いすみ市では、有機農産物の生産に転向する農家も増えているということです。このように学校給食は、有機農産物の生産向上に重要な役割があります。
また、子どもたちにとっては、有機農産物を使った給食を食べることは、食への関心を高めるだけではなく、食べたものが100%体をつくるという健康的な成長を促すことにもつながります。目黒区では、各学校に栄養士が配置されていますので、食材の質についても大切だということを知っています。
長野県で中学校の校長、旧真田町で教育長、長野県上田市では教育委員長を務めた大塚さんは、中学校の校長として赴任した先が生徒数約1,200人のマンモス中学校でした。生徒は学習に対して無気力で、いじめや非行が絶えず、不登校の生徒も50人ほどいたそうです。当時給食は、御飯が週1回のみで、そのほかはパンや麺類、おかずは肉類がほとんどでした。それを週5回御飯にして、米や野菜、大豆等は無農薬や低農薬の地元産、肉や魚は国内の生産地が明確なものに切り替えるなど徹底し、お米には発芽玄米を加えたそうです。その結果、不登校の生徒は2人まで減ったということです。
以上を踏まえて、2問質問します。
(1)フードマイレージを考慮した共同購入先の拡大
(1)フードマイレージを考慮した共同購入先を広げることについてです。
目黒区では、一昨年9月に山梨県北杜市から有機のジャガイモを希望する学校へ届け、給食に有機農産物の提供が実現しました。有機農産物の安定的な供給を確保するためには、仕入先の確保も広げる必要があります。今後もスポット的なオーガニック給食を継続的に提供していくために、北杜市のほかの農家への働きかけをすること以外にも、フードマイレージを考慮し、関東一円で共同購入できる新しい農家さんを確保していくべきです。有機農産物を作る農家は、千葉県、埼玉県、神奈川県にも増えています。
来年度も再来年度も有機農産物を取り入れた給食が実施できるよう、共同購入できる仕入先を広げる努力をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(2)食材納入業者による有機農産物の仕入れルート確保
大きな2点目の(2)各学校で取引している食材納入業者に有機農産物の仕入れルートを確保してもらうよう働きかけることについてです。
昨年の定例会で有機農産物に対する他の議員の質問の中で、有機農産物の単価について言及がありました。有機農産物のニンジンは国産標準品の価格の174%、ジャガイモは147%という価格で取引されているという答弁でしたが、その年や時期や生産量に応じて、価格は変動しますし、現在学校給食の予算の2分の1を東京都が補助してくれています。
有機農産物を使った給食の提供回数を少しずつ増やしていくためには、各学校で取引している納入業者に対し、スポット的に有機農産物の仕入れルートを確保してもらい、学校単位で違う食材であっても、給食に有機農産物を取り入れることができるようにするべきではないか、伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
再質問
3問、再質問させていただきます。
CO2削減目標の達成と国の交付金の活用
まず、大きな1点目の(1)環境基本計画におけるCO2削減についてです。
環境基本計画の対策強化による削減見込量は、削減可能量として、産業や家庭、業務、運輸廃棄物など、多くの事業が掲載されていますけれども、御答弁にもあったように区だけではなく、区民への普及や、関係する民間企業も巻き込みながら進めていかないと、この削減見込量の5万1,190トンの目標値はなかなか達成できないものです。
産業、家庭においても、区としても着実に脱炭素社会に向けて、施策を実行し、進めてはいるものの、削減見込量の項目で特に集合住宅への太陽光発電導入や事業者への省エネ診断、建物、建築物の快適性や生産性を確保しつつ、設備機器、システムの適切な運用改善等を行うエコチューニングという事業で、CO2の削減を進めることや、事業者や家庭での再エネ由来の電力への転換などをクリアするには、なかなかハードルが高い項目も挙げられています。
対策を強化した削減見込量の全32項目の全てを達成するのはなかなか厳しいのではないかと考えます。達成するためには、市場のニーズが高い項目の目標を上げていくなどの方法もあります。また、高いハードルをクリアしていくには、区の一般財源だけではなく、国の交付金を活用する方法などもあります。
世田谷区では、2023年に策定した地球温暖化対策地域推進計画において、2013年度比で2030年度までに57.1%を削減するという目標を掲げて、目標達成するために区独自の3つの注目すべき事業を公表しています。
一つは、脱炭素社会の実現の可能性が高い地域を、成城地域なんですけれども、脱炭素先行地域としまして、事業達成のために国の脱炭素先行地域事業に応募し、事業費全体で41億円に対して、国からの交付金37億円を獲得しています。
もう一つは、世田谷区が主体となって、家庭の脱炭素化の最も困難な電力の脱炭素化への移行を進めるために、モデル地区を設定、相談や省エネ診断から、解決策や提案、サービスの提供、機器の保守メンテナンス、電力利用の効率化までをワンストップでサポートするフルパッケージというものをつくりまして、支援を行う予定です。
再エネを促進する施策を持ちつつも、国の脱炭素先行地域事業の交付金、この事業の交付金の交付補助率が3分の2なんですけども、これを活用しまして、太陽光発電システム140万円と蓄電池システムが174万円、合計314万円を導入しようと思った場合には、世田谷区では、東京都の補助金も活用すると15万円で導入できることとなっています。目黒区では、同額のシステムを導入すると、補助率が違うために自己負担は115万円となります。世田谷区では、これらの施策に対して、6年間で3億7,000万円、1年間では予算6,100万円です。
区としても、新しい技術や製品を取り入れつつ、脱炭素社会が進むような環境を整えていくことが、カーボンハーフを達成するために重要と考えます。交付金の活用などを含めた目標達成について、区の見解を伺います。
住宅用再エネ・省エネ設備助成の予算追加
また、戸建ての太陽光発電導入の目標を引き上げることについての再質問です。
戸建ての太陽光発電導入、ZEHが含まれている区独自の住宅用再生可能エネルギー及び省エネルギー設備設置費助成は、今まで予算を追加してきて進めてきました。CO2削減に大きく貢献する事業を予算追加で進めていくことは、目標達成のためにも大いに貢献していると評価します。
昨年度におきましても追加を1,000万したということでありますけれども、やはり最近の傾向としましてはZEHの申請が増えているということで、締切り、受付が終了して、早めに終了してしまうということで、CO2削減の対策強化の削減見込項目にも、新築戸建て住宅へのZEH化の目標はゼロ%から2030年度までには70%を目標としています。
今、地球沸騰化と言われる時代の中で、5年先、10年先まで一律の予算ということではなく、今まさに予算を大きく追加してでも取り組む事業であると考えますが、いかがでしょうか。
有機農産物を使った給食の実施目標
あと、大きな2点目の学校給食における有機農産物のさらなる導入に向けての再質問です。
2月5日、品川区の予算案プレスの項目の中に、オール有機野菜による学校給食の提供、区立学校の給食の全ての野菜に有機・特別栽培農産物を活用することが、都内初の事業として発表されました。品川区長は子育て世帯でもあり、学校給食が無償化になってから、給食がおいしくなくなったという子どもたちの声もあったことから、年何回か行っていた有機農産物等の提供を年間通して提供するという決断をされました。
品川区長の決断は、子どもたちには農薬を使わない、極力使わない、安心・安全の農産物を食べさせたいという保護者の思いも酌み取りまして、持続可能な農業も視野に入れて、いろいろなハードルも乗り越えて決断されたのではないかと思っています。
現在、有機農産物は、全体の農産物からすれば、先ほど教育長の答弁にもありましたように、生産量が少ないために、様々なルートから仕入れの確保が必要だと考えます。今後も少しずつ扱う品目を増やして、スポット的に有機農産物を使った給食を毎年実施できるようにするためには、形や大きさも異なる有機農産物をどのように調理していけばよいか、現場も少しずつ経験をし、課題を整理して、実施回数などを目標を設定しまして、仕入れルートの確保を積極的に計画していくべきではないか、伺います。
以上です。
再々質問:設備設置費助成の追加
ゼロカーボンのことでちょっと再々質問を1点だけしたいと思います。
区長の所信表明の中には、区有施設への再生可能エネルギーの設備の導入など、ゼロカーボンシティの実現に向けた取組を行っていくとありました。カーボンハーフまでにあと5年、1年、1年の目標を確実に達成していかなければいけない状況でありまして、先送りできる余裕がない状況であります。来年や再来年度は、カーボンハーフ達成のために大変重要な年となると思っております。
住宅用再生可能エネルギー及び省エネルギー設備設置費助成の事業につきまして、追加しても年度途中でまた上限に達してしまったということですが、来年度、再来年度につきましては、さらなる追加で実現していけるように、追加の御決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。