議会質問

2025年3月14日 岩崎ふみひろ議員 令和7年予算特別委員会 健康福祉費

2025年3月14日 令和7年予算特別委員会 健康福祉費 岩崎ふみひろ議員

1 こども誰でも通園制度

まず、1点目はこども誰でも通園制度についてお伺いします。

ゼロ歳児、6か月~3歳未満の子どもを対象に、親の就労要件を問わずに月一定時間の利用枠の中で時間単位での利用を可能とする、こども誰でも通園制度が改正法で法律上の制度になりました。2026年度から新たな給付制度として、全自治体での実施を目指していると言われています。目黒区でも2026年度、実施に向けて検討を始めているというふうに思います。

これまで幾つかの自治体で試行的事業、試みの試行的事業の補助単価については、1か月10時間以内で1時間単位で利用可能とされ、事業者の補助単価は子ども1人1時間当たり850円と保護者から徴収する利用料300円と合わせ1,150円という単価です。

新年度については子どもの年齢によって、職員配置数に違いがあるということなどを考慮し、年齢に応じた1時間当たりの単価とされるようです。利用に応じた出来高払い方式だという制度です。この乳幼児について、誰でも通園制度を始めるに当たって、やはりこの国が設計した制度ですけれども、いろいろ問題点があるんではないかなと考えています。

(1)営利企業の参入と出来高払い

その一つが、保育事業の実績のない営利企業でも施設の基準を満たせば、実施可能とされている点です。昨年8月の時点で全国で試行的事業を行っている800事業所のうち、株式会社立が85事業所あるという調査もあります。出来高払いの単価と営利企業参入という仕組みは、利用者が休めば報酬が減って、その通園制度を行っている事業者の経営が不安定になるということや、乳幼児の子どもさんの安全の確保、発達、成長を保障することが果たしてできるのかという不安の声も上がっています。こうした問題点の一つ、区としてどう認識し対策を打とうとしているのか伺います。

(2)区市町村の関与の後退

2点目ですけれども、この誰でも通園制度は法律上は、保育ではなく乳幼児または幼児への遊び及び生活の場の提供とされています。児童福祉法で定める保育所制度には、区市町村に保育の実施義務がありますけれども、この制度は区市町村が利用対象者と事業者の認定を行うだけで、利用調整は行いません。利用者が自ら施設の空きを確認して直接的に申し込む直接契約方式となっています。そうなってくると、保育をはじめとする他の子育て支援制度と比べても、区市町村の関与が大きく後退していくのではないかというふうに思いますけれども、その点について2点目お伺いします。

(3)自由利用と子どもの安全

それから、誰でも通園制度は利用する施設、曜日を決めた定期利用のほかに、これらを固定せずに居住地以外の施設でも空きがあれば利用できる、いわゆる自由利用が認められています。

3点目ですけれども、この自由利用で乳幼児の子どもの発達にとって重要な特定の大人との応答的な関わり、また情緒的な絆を育むことができるのか伺います。

また、保育施設における死亡事故は預け始めが非常に多いと言われています。毎回この自由利用の下で違う施設に預けることが可能であるということであれば、重大事故のリスクに子どもたちをさらすことにもなりかねないということもあります。医療的ケア児や障害児も受け入れるという下で、果たしてお子さんたちの安全は確保できるのか、お伺いします。

(4)職員体制

4点目は、人事体制の問題です。職員体制です。職員配置については、一時預かり保育事業と同様に、保育士の有資格者は半分でよいとされています。保育士以外の人材も活用するとされています。これで果たして子どもたちの安全と成長発達が保障されるのか、お伺いします。

(5)区立園の職員配置

5点目です。この制度を開始するに当たっての目黒区立園の職員配置についてどうお考えになっているのか伺います。

2 特別養護老人ホーム(ユニット型個室の負担)

次に、高齢者福祉のところで特別養護老人ホームの事業に対する運営費、あるいは整備費に関わるところです。

この間、この7~8年の間に目黒区の中でもユニット型の特養ホームなども整備をされてきました。区立の中目黒の特養については多床室も残すというようなことで、改修もされてきています。これから駒場の国家公務員の跡地の特養ホーム、それから目黒一丁目の都営住宅の跡地、都有地についても地域密着型の特養ホームが整備されていきますけれども、そこもユニット型として整備をされる予定です。ユニット型の個室は多床室と違って一人一人の生活に配慮し人権を尊重した個室ですので、それを広げていくということについては、それは意義のあることだと思いますが、ただ、その一方で、従来の多床室と比べて、ユニット型の個室は居住費も高く、食費なども高く、利用者には負担が大きいというようなところもあります。

低所得者には国の補足給付の制度もありますけれども、多床室と比べても、この補足給付の制度もその補助単価が高くなっているということもあります。年金生活者にとっては非常に負担が大きいです。現在でも所得の低い人は、経済的な理由から入居施設を探すのに大変苦労をしています。なかなか今、自分がもらっている年金の範囲ではなかなか入れないという声も聞きますし、逆にせっかく入居できても、なかなかこの費用のめどが立たずに、退所を余儀なくされるというような方も、そういう声も聞いています。

今後、先ほど言ったように駒場住宅の跡地、目黒一丁目27番地、都有地ですね。地域密着型の特養ホーム、ユニット型で整備されていきますけれども、ここ数年整備されてきたユニット型の個室型の特養ホームと併せて、やはり年金者でも入れる仕組みをつくっていくことが必要ではないかなと、そういう保障もつくっていくことも必要ではないかというふうに思いますが、伺います。

3 介護福祉人材の確保

それから、高齢者福祉に関わる2点目ですけれども、介護福祉人材の確保ということです。これは今、喫緊の課題ですので、総括質疑でも質疑をさせていただいたところでもあります。特に目黒区のように住宅費や生活費が高い都心部では、より介護労働者の確保という面では大きな課題になり、結構深刻な状況も進んでいます。介護関係9団体の調査では、介護職員の今年度の賃上げ率は正規職員で2.52%で、昨春の春闘の値上げ率が全業種で5.1%という状況を見ても、やはり介護関係者の賃金というのは、ほかの業種と比べても低く抑えられているということで、やはりそれが介護人材の確保という意味では、困難の一つの要因になっているということが言えると思います。

そういうこともあって東京都においては、介護職員やケアマネジャーを対象とした居住支援特別手当の支給も今年度開始をされているというところです。目黒区でも独自にこうした介護職員への直接的な補助も求めてきていますけれども、この総括質疑でも、また以前の質疑の中でも介護職員の賃金等の処遇改善に関することについては、全国的な課題でもあり介護報酬にも関係することなので、国において責任を持って対応すべきものというような答弁が繰り返されてきました。その部分についてはそのとおりだというふうに思っていまして、共産党としても、国の責任で介護保険にかける国庫負担については、10%を上乗せして介護労働者の確保、あるいは介護の基盤整備などに充てるようにも提案をしているところです。

この問題については、23区でも足並みをそろえて介護人材の確保、定着及び育成に関する継続的な施策の実施について要望していますけれども、その経過についてどうなのかというようなことでお聞きをいたします。

以上です。

再質問

それでは、再質問です。

通園制度:出来高払いと事業所運営の安定

まず、こども誰でも通園制度についてですけれども、株式会社、営利企業が保育に、保育、厳密に言えば法律的には保育ではないんですけれども、保育に参入し、人件費比率が極めて低いというような実態については、これまでもうちとしても取り上げてまいりました。結局のところ、やはり通園制度という形で国が今、制度設計しているものについては、それに輪をかけるものであるなというふうに感じているところです。

それで、同じように出来高払いというような制度については、これは保育分野ではないんですけれども、障害児の放課後等デイサービスのこの制度、同じように出来高払いの制度になっていますけれども、やはりこういうデイサービスの事業者などについては、利用者が減ってしまうと、日払い方式のために、もろにその経営に大きな影響が出てしまうということで、コロナ禍のときには、やはりそういうような形で利用の自粛が起きて、職員の雇用や事業所の運営が困難になるというような実態がありました。

職員が専門性を高めて質の高い支援を行うというようなことが求められているとともに、やはりそのためには安定した雇用と、それから事業所運営が必要だというふうに思います。今なかなか民間の保育所についても保育士不足、経営も大変ということが広がっている中で、こういう利用者がいるかいないかで大きくその経営にも影響が出てくる、この日払い方式の報酬制度で、それが実現できるのかというようなことについて1点目、お伺いをします。

通園制度:区市町村の関与

2点目ですけれども、区市町村の関与という点についてですけれども、初回利用の前に事前面談を行って、利用に当たっての注意事項や子どもの特徴、保護者の意向等を確認し、予約利用をするという、結局そういう関与ということにされてしまいます。乳幼児を預かるという、そういう責任を伴いながら、この通園制度の法的な位置づけが保育ではないので、区の保育的な措置という考え方が通用しなくなってしまうのではないかなというふうに思いますけれども、その辺2点目お伺いします。

通園制度:自由利用と在園児への影響

それから、3点目ですけれども、医療的ケア児や障害児の受入れに当たって、居宅へ保育従事者を派遣するという答弁がありましたけれども、この派遣というのは、これは保育士の資格を持った保育従事者であるのかどうかについて、まず伺います。

また、自由利用の場合、通園制度による別室を確保できないと、事業者や、あるいは保育園などが、そういった場合に在園児と同じ部屋に、通園制度による子どもが通園してきたならば、どういうことになるかということです。

在園児にとっては、常に泣いている子や知らない子が部屋にいて落ち着かないという状況になるのではないでしょうか。いきなり自由利用という形で、乳幼児がそこに預けられてくるということになると、当然泣きます。そうなってくると、一緒にいる在園児にも大きなストレスがたまる。あるいは、食事中とか昼寝の時間などにそういうことがあったら、保育士でもストレスがかかってしまうということにもなるのではないかというふうに思います。

通園児にとっても、月に10時間という利用では慣れることなく泣いて終わるということも考えられます。通常の保育園では、年度初めの4月に慣れ保育という形で時間を短くして、徐々に慣らしていくということが常だそうです。さっき課長もおっしゃったように、新入園のときに突然死も多いというようなこともあります。また、その子ども一人一人のアレルギーのあるやなしやというようなことについても、きちんと把握できるのかというようなこともあります。乳幼児を預かるということは、それだけ難しく保育技術も必要ですし、また経験も必要でもあります。

この通園制度については、保育関係者の中からも、法人でも一時預かりを行っているけれども、週1日決まった曜日に利用する定期預かりにしていて、そのほうが子どもには負担が少ない。子どもが保育する場所や保育士に慣れていれば、緊急時にも一時預かりができるというような声も上がっていて、通園制度に疑問を呈す、そういう保育関係者も今、かなり出てきています。

政府は一時預かりの保育については、保護者の必要性に対応するものというふうにみなしているのに対して、通園制度については、子ども中心に考えるものだというふうにしていますけれども、今るる述べたように、これではとても子ども中心の制度とはなり得ないのではないかなというふうに思いますけれども、3点目にお伺いします。

通園制度:職員の確保

4点目は、職員の確保の問題です。これはただでさえ、区立保育園も私立の保育園も人材の確保が非常に難しいという状況です。確保がなかなかできないという状況です。通園児を預かるということになると、在園児の保育を保障できなくなってしまうという危惧も広がっています。通園制度の利用者への事前面接や申込みの手続など事務が膨大化するという、そうした可能性もあります。保育関係者からは、親の便利さで制度設計されるということだけではよくないと。施設の質や受入れ側の保育士の負担にも相当配慮が必要だという声も上げられています。現状では、在園児の保育を行うだけで精いっぱいという状況の下で通園児を受け入れるということは、本当になお一層、現場はこの疲弊が広がってしまうのではないかなというふうに思いますけれども、お伺いをいたします。

特養ホーム:年金でも入れる仕組み

それから高齢者福祉のところですけれども、特養ホームの運営整備に関わるところです。

それでユニット型、なかなか年金生活では大変だということですけれども、昨年度、2023年度の国民年金の平均額は男性で5万9,965円、女性が5万5,777円というのが平均だという統計があります。厚生年金の平均額については、男性で16万6,606円、女性で10万7,200円というのが平均だというふうに言われています。

ユニット型の特養については、月額の利用料については大体13万円程度はかかるだろうというふうに言われていまして、従来型の多床室については、大体9万円ほどはかかるというふうに言われていますけれども、大体約4万円程度の差があるということで、やはりユニット型の特養に年金生活者が入るということについては、かなりハードルが高いというような状況です。

そういうような中でやはり先ほども申し上げたとおり、なかなか年金生活者にとって、せっかくこの目黒区が近年、特養ホームを整備したとしても、なかなか入れないというような状況のある下で、何がしかの補助をやっぱりそういう仕組みはつくっていくべきではないかなというふうに思いますが、お伺いをいたします。

介護職員の宿舎借上げ事業の拡充

それから、介護職員の確保のところですけれども、私たちとしては、やはり直接的な介護職員の援助制度を設けてほしいというところですけれども、ここでは今行っている特養ホームの職員、あるいは障害者施設、グループホームの職員への宿舎借上げ、これについてはぜひ拡充をしてほしいということについて、取り上げたいなというふうに思いますけれども、これについては従来、特養ホームの職員などについては、夜間の介護士、あるいは看護師などの配置があるということで、この制度を取り入れてきたところです。しかし、いろんな方々から指摘されているように、訪問介護などの報酬が下がって、非常に介護事業者の経営実態も職員の実態も非常に大変になってきているというようなことが新たに今、大きな問題になっている。また、今の物価高騰も、やはり介護事業者の経営などにも大きな影響を及ぼしているというような下で、やはりこの宿舎の借上げ事業についても、この介護事業者などにも広げていくということについては、本当に必要になっているのではないかなというふうに思っていますが、ぜひそこについても答弁をお願いします。

以上です。

再々質問

通園制度への区独自の関与

まず、通園制度のところですけれども、いろいろ細かいことも質問させていただいて、なかなかやはり職員の確保をはじめ、この通園制度の問題というのは、やっぱり様々あるなというふうに思います。医療的ケア児や、また障害児についての受入れについても、相当なやっぱり職員の関与が必要になってくるということで、通園児でも医療的ケア児、それから障害児も受け入れているという下で、そこにやはり誰でも通園制度が加わるということになると、より一層の確保、それが求められているということで、非常に難しい制度だなというふうに感じています。

我々としても、乳幼児を含めて早い段階から子どもを集団保育の場に身を置くというか、そういう場に預けられるということについては、それはやはりそういう流れになっていくだろうなと思います。就労のあるなしにかかわらず、そういった誰でも保育を受けられるような、そういう仕組みを整備していくことは、今後必要になってくるだろうなと思います。早く子どもが集団の中に身を置くことによって、小学校に入った後も発達が促されるというようなこともありますので、それは大いに意義があると思います。そういう意味では従来の保育に欠ける子どもを措置するというような保育園の在り方が、就労のあるなしに関わって、全ての子どもを受け入れるという、そういう保育の流れになっていくというふうに思っていますけれども、いかんせん、この誰でも通園制度は、制度が非常に安易で安上がりな、そういう制度だなというふうに思っています。

今でさえ、現場が在園児をどう保育するかということで、体制もなかなか整わないというような中で四苦八苦している上に、こうした取ってつけたというふうに言っていいのかどうかありますけれども、そういう通園制度を2026年から全ての自治体にやれと号令をかけてくるということについては、本当にいかがなものかというふうに感じますけれども、しかしこのままだと、国の方針の下で目黒区もやらざるを得ないということになってくるんですけれども、そこで、やはりこの目黒区として、どれぐらいこの制度に関与できるのか、今の国の制度にとどまるのではなくて、目黒区としてどれだけ職員の確保も保障をし、どれだけ乳幼児の安全を確保するために、このいろいろな目黒区独自のそういう取組を進めることができるのか、そういう面に対してお聞きをしたいというふうに思います。

宿舎借上げ事業の介護事業者への拡大

それから、高齢者福祉のところで介護職員への宿舎借り上げのところです。これは介護事業者のところにも広げていただけたらということですけれども、その辺については直接的な答弁はちょっとなかったような気がしたんですけれども、その部分について改めてどういうふうにお考えか、お伺いします。

以上です。

出典:目黒区議会会議録 / 議会中継(録画)

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