議会質問

2025年9月4日 岩崎ふみひろ議員 令和7年第3回定例会 一般質問

2025年9月4日 令和7年第3回定例会 一般質問 岩崎ふみひろ議員

私は、日本共産党目黒区議団の一員として、一般質問を行います。

1 戦争被害の実態について、区としても力を入れて後世に残すべき

まず、大きな1点目は、戦争被害の実態について、区としても力を入れて後世に残すべきについてです。

今年は戦後80年、過去の戦争、そして現在、世界各地で行われている戦争に関わりなく、多くのメディアが例年よりも多く戦争に関わる報道を繰り広げています。

現在、ロシアのウクライナ侵略、アメリカと同盟国の大軍拡、イスラエルのパレスチナ・ガザでのジェノサイドなど、世界が戦争か平和かの重大な岐路に立たされています。アメリカ、ロシアを中心に、約2,000発近くの核兵器が数分以内に発射できる警戒態勢にあると言われています。ロシアのプーチン大統領の核兵器使用のあからさまな威嚇、核兵器保有国間の軍事紛争、イスラエル、アメリカによるイラン核施設の攻撃など、核兵器をめぐる危険な動きも激しくなっています。

ところが、核兵器廃絶と平和への日本国民の切実な願いに反し、政府は核兵器禁止条約に背を向けています。それどころか、米軍の核兵器使用も視野に入れた拡大抑止政策を取り、米軍との共同作戦体制を強化しています。さきの参院選でも、核共有や拡大抑止の実効性確保、あるいは核武装が最も安上がりなどを公然と掲げる政党や候補者が現れています。

日本の政治を非核、平和の路線に転換することは、被爆国民の願いであり、責務です。二度と戦争を起こさせない、核兵器廃絶を目指す国づくりのために、引き続き多くの方々と力を合わせて尽力していきたいと思います。

この間、目黒区では、第2次世界大戦中の目黒の空襲や集団学童疎開の実態を記した記録集などについて、メディアでも取り上げられています。めぐろ歴史資料館では、空襲の記録、戦時中の生活の様子を紹介した企画展を開催しました。とても意義ある取組と感じています。資料館の職員も、戦争体験を語ることのできる人は今や90歳前後になり、記録を残すのは最後のチャンスだと意気込みを語っていました。

今年は、平和憲法を擁護し、核兵器のない平和都市であることを宣言するとうたった目黒区平和都市宣言から40年の節目でもあり、目黒から二度と戦争をしない国づくりを進めていくためにも、以下、質問をいたします。

(1)空襲被害者の実態調査を

1問目は、空襲被害者の実態調査をすべきだという点です。

現在、国会では、民間の空襲被害者の救済法案の制定を検討する動きがあり、今年6月には特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案の最終稿が確認されました。前文には、空襲による多大な労苦を余儀なくされた犠牲者がいること、その救済がされてこなかったこと、そして戦後80年を迎えるに当たり、その労苦を慰謝するとした上で、国として被害の実態を明らかにし、追悼の意を表すると述べ、被害者に対して一時金を支給するとしています。

第2次世界大戦で目黒は数度にわたる空襲を受け、死者291人、負傷者1,553人、全焼家屋2万6,095戸、罹災者10万3,425人であったと言われています。現在、空襲被害者が高齢化している中で、そう時間もありません。区としても国や東京都と連携し、空襲被害者の実態調査を行うべきだと考えますが、伺います。

(2)区内に残される戦争実態の記録の大規模な活用を

2問目は、区内に残される戦争実態の記録の大規模な活用を図るべきだという点です。

めぐろ歴史資料館は、区民が手記に残した戦時中の東京大空襲の実態を「空襲記」にまとめ、刊行をしています。「空襲記」には、東京大空襲や目黒区の空襲、集団学童疎開に行く我が子を案じる親の思いなどが記されています。歴史資料館は、教育現場や家庭での平和教育のために活用していただきたいとしています。また、区立月光原小学校で保管されていた目黒の集団学童疎開の引率教員らの記録も残されていて、歴史資料館は、学童疎開の実態が余すことなく記された貴重な資料としています。

これらは8月31日まで歴史資料館での企画展で紹介されていました。こうした貴重な資料をさらに区民に大規模に周知するとともに、活用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

(3)戦争遺跡の保存と平和マップの作成を

3問目は、戦争遺跡の保存と平和マップの作成を進めるべきだという点です。

目黒区内には、空襲や学童疎開の記録以外にも、区民センター公園などには平和の鐘、平和祈念の彫像「花の影」、被爆二世樹木のアオギリ、柿があります。また、被曝した広島市庁舎の平和の石をはじめ、軍用地と民有地の境に立てられた陸軍用地の境界標柱、常圓寺の平和地蔵、空襲で黒々と炭化した樹皮をさらしながら元気に育っている戦災樹木など、数々の近現代の戦争遺跡があります。

戦争遺跡の保存と平和マップを作成し、小・中学生や区民の学びの場や学校教育や社会教育での活用を図ってはどうか、伺います。

2 公契約条例における労働報酬下限額

大きな2点目は、公契約条例における労働報酬下限額についてです。

中央最低賃金審議会は2025年度の最低賃金について約6%引き上げることを答申し、これにより東京地方最低賃金審議会は63円引き上げ、1,226円という目安額を示しています。現在、異常な物価高騰が全ての年齢層に大きな影響を与え、とりわけ若年層や子育て層や就職氷河期世代でも、早く最低賃金を1,500円に引き上げてほしいという切実な要求が渦巻いています。

国が最低賃金の大幅な引上げを行うことは当然ですけれども、公契約条例で労働報酬下限額を設定している地方自治体が全体的な賃金底上げのためにも、積極的な役割を果たすことが求められています。そこで、以下、質問します。

(1)思い切った労働報酬下限額の引き上げを

1問目は、思い切った労働報酬下限額の引上げを行うべきだという点です。

現在、各区が都の最低賃金を大幅に上回る労働報酬下限額を設定し始めています。工事請負契約における下限額を一層引き上げることも必要ですが、現在は特に業務委託契約及び指定管理における下限額で差がついています。

今年度の目黒区の業務委託、指定管理における下限額は時給1,298円ですが、これは23区では低いほうから2番目です。時給1,400円台は世田谷区、新宿区、渋谷区、杉並区の4区、1,300円台が6区と、不十分さは残るものの、多くの区では積極的な下限額を設定しています。

この件については企画総務委員会でも質疑いたしましたが、労働報酬下限額の設定は、公契約審議会の答申任せにするのではなく、まず区が積極的に下限額を引き上げる姿勢を示し、イニシアチブを発揮すべきです。

公契約条例は、公契約に係る業務に従事する労働者等の適正な労働条件を確保することにより、優れた人材を確保できる環境の整備及び公契約の適正な履行の確保を図り、もって区民サービスの向上及び地域経済の活性化に寄与することを目的としたものだと区も必要性を強調しています。

都心部でも生活できるだけの思い切った労働報酬下限額の設定を求めるものですが、区の見解をお聞きします。

(2)公契約条例の施行状況について、労働者、事業者にアンケートを

2問目は、公契約条例の施行状況について、労働者、事業者にアンケートを取るべきだという点です。

世田谷区や新宿区など、積極的に労働報酬下限額を引き上げている区では、労働者や事業者向けにアンケートを実施し、公契約条例の施行状況を把握しながら施策を進めていることが特徴です。

目黒区でも、これまでの公契約条例に基づく区の取組の実態を把握し、今後の取組に生かしていくため、区と公契約を締結した事業者、公契約に係る業務に従事した労働者にアンケート調査を行い、区民にも公表すべきですが、いかがでしょうか。

また、事業者に対しては労働条件調査も同時に行い、実態把握を進めるべきだと考えますが、お答えください。

(3)最低賃金の引き上げを国や都に要請を

3問目は、最低賃金の引上げを国や都に要望すべきだという問いです。

そもそも国や都道府県が設定する最低賃金が低いことが生活の厳しさを増長しています。ドイツ、イギリス、フランスなどの2分の1という水準です。ダブルワーク、トリプルワークで仕事の掛け持ちを余儀なくされる人や離職者が相次ぐ介護現場など、最低賃金に近い水準で働く人たちの生活改善は待ったなしです。

石破政権は5年後までに全国平均1,500円の最低賃金を掲げます。しかし、この目標自体が遅過ぎ、今回の引上げ幅は、そのために必要な毎年7.3%の引上げにも及んでいません。区として、最低賃金を速やかに時給1,500円へと引き上げるよう、国や東京都に要請を行うべきですが、いかがでしょうか。

3 多文化共生社会の確立へ

大きな3点目は、多文化共生社会の確立についてです。

さきに行われた参院選では、望ましくない迷惑外国人などを排除するとし、外国人への規制強化や権利制限を主張する政党や、外国人に対して適用される諸制度の運用の適正化、日本人が払った税金は日本人のための政策に使うとし、外国人が優遇されているかのような虚偽の印象を広げる勢力が台頭しました。低賃金や重い負担に見合わない社会保障への国民の不満や不安の矛先を外国人に向け、排他主義、排外主義を唱えることについて、多くの国民から危惧する声が高まっています。

日本で暮らす永住外国人や中長期滞在者などの在留外国人の人数は、昨年末には前年末に比べ全国で35万7,985人増加し、376万8,977人と3年連続で過去最多を更新しています。

目黒区の今年8月1日現在の外国人人口は1万1,881人で、構成比は4.2%となっていて、日本の総人口比の3%と比べても、高い割合になっています。今後も様々な形態で増加していく外国人定住者をどう迎え入れ、多文化共生の目黒をつくっていくのかが問われています。

以下、幾つかの点で質問します。

(1)全国知事会の提言への評価を聞く

1問目は、全国知事会の提言への評価を伺います。

参院選後の7月23日、24日に開催された全国知事会の定例会議は、外国人の受入れと多文化共生社会実現に向けた提言をまとめました。提言は、国は外国人を労働者と見ているが、地方自治体から見れば、日本人と同じ生活者であり、地域住民であると指摘し、育成就労制度では幅広い職種で受入れを可能にすることや、地方自治体が行う日本語教育などに関する予算を十分に確保すること、多文化共生施策の根幹となる基本法の制定を政府に求めています。

また、排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指すことを宣言し、民主政治を脅かす不確かで根拠のない情報から国民を守り、国民が正しい情報に基づいて政治に参画できるシステムの構築を求めていくとする青森宣言を採択しました。

こうした知事会の動きに対し、区長はどう評価しているのか、お聞きします。

(2)外国人労働者の実態把握を

2問目は、外国人労働者の実態把握を進めることについてです。

もはや日本社会は、外国人の技能実習生や留学生などの働きなしでは、多くの産業分野で立ち行かなくなっています。その中で、外国人特定技能制度が2019年に創設され、飲食料品や工業製品の製造、介護、建設など、人手不足が顕著な16業種が受入れ対象になり、さらに物流倉庫の管理、資源循環、リネンサプライの3業種が追加されるという方針です。

今年度から、特定技能外国人の受入れに当たり、当該外国人が活動する事業所の所在地及び住居地が属する区市町村に対し、協力確認書を提出する制度が始まりました。これを機に、区として、外国人労働者の実態把握とともに、生活、人権が守られる取組を進めるべきですが、いかがでしょうか。

(3)外国籍の子どもへの不当なバッシング対策の強化を

3問目は、外国籍の子どもへの不当なバッシング対策の強化についてです。

区では、学校教育の中で人権教育や国際理解教育を通じて、外国人への偏見や差別のない相互理解や連帯感を培う取組を行っています。それでも外国籍の子どもが不当なバッシングを受けた場合の人権を守る取組をどう充実させようとしているのか伺い、壇上での質問を終わります。(拍手)

再質問

それでは、再質問をさせていただきます。

空襲被害の実態把握

1点目の戦争被害の実態についてということですけれども、先ほどの1点目と2点目の空襲のところでまとめてお聞きをしたいんですけれども、今年度、特に空襲被害の実態とか空襲の研究なども各地で進んでいます。23区でも、そういう見地でいろいろ研究なり実態調査なりをやっている自治体もあります。

特に空襲時の火災の延焼とかについては、首都直下地震が想定される中で、今後の防災のためにも直近の大都市火災である東京大空襲の研究は不可欠であり、シミュレーションの作成は技術的には可能ではないかということを指摘する方もいらっしゃいます。

先ほど戦争被害の実態について、空襲の実態については、なかなか遡ってその実態を把握するのは困難であるというような答弁でしたけれども、東京都は、なかなか個人情報だというような理由で、なかなか持っている情報は出さないというような部分もあるんですけれども、死者の情報は個人情報には含まないというのが今の法律上では明確ですから、東京都とやはりもう少し連携をして、一つの事例でも多くやはり実態把握というのは進めていくべきではないかなと思いますが、その点を伺います。

平和マップ作り

3点目の平和マップ作りですが、先ほど御指摘されたとおり、時の経過によって戦争遺跡・遺構などもだんだんなくなってしまうということは、専門家の方も指摘しているところです。

しかし、目黒区でも何人もの方がそういう知恵も持ち、知識も持っているということで、やはりマップ作りは無理だということではなく、そうした方々の知恵も借りながら、行政側と、それから区民と力を合わせて、やはりマップづくりを進めていくということが必要ではないかなと考えます。区民の力を借りるというところ、やはりそうすれば実現に向けて大きく踏み出すこともできるのではないかなと。

先ほどの質問の中で申し上げましたように、目黒区の中でも、やはり今の戦争体験者が90歳前後を迎えているということで、戦争を語り継ぐ、そういう活動はこれがラストチャンスだというようなこともあるので、そこは工夫次第でできるのではないかなというふうに思いますが、伺います。

労働報酬下限額の引上げ

それから、公契約条例における労働報酬下限額についてですけれども、確かに自治体が独自に決めるのが労働報酬下限額ですけれども、何もほかがこういう額を設定しているから目黒区もこういう額でということを単純に言っているわけでもありません。

目黒区は、業務委託、指定管理の下限額については、会計年度任用職員の一般事務職相当の給与とその他の事情を勘案して総合的に決めているというふうにしています。これはどの区でもそうした基準で設定をしています。審議会があるところは、審議会にそういう形で諮問をしています。

今年度の目黒区の会計年度任用職員の一般事務職の給与の目安は、週30時間勤務するとして、スタッフ職で時給1,675円、アシスタントで1,368円という額です。区が設定している今年度の下限額は1,298円ですから、やはり目黒区自体が言っている会計年度任用職員の一般事務職相当の給与と比べても、相当低い額です。

やはり目黒区の抱えている、そういう問題点としては、目黒区が基準として決めている額よりも低いというような実態があるので、ほかの区はどうだということとともに、やはりその乖離をなくすべきではないか、そのために思い切って引き上げるべきではないかということを指摘したいと思います。

その点についてどうお考えになるか、お聞きをします。

多文化共生と庁内連携

それから、多文化共生についてですけれども、3点目の人権教育、国際理解教育に力を入れているという先ほどの教育次長の答弁もありましたけれども、今なかなか外国人へのデマやフェイクを含めて、いろいろSNS上などでも、いろいろな書き込みもあります。

教育委員会などのそういう努力があっても、なかなかそういう影響を受けると、外国人を敵視したり差別、排斥をしようという、そうした気持ちがなくても、意識の中で知らず知らずのうちに、そうした外国人籍の子どもを差別したりしてしまうということはあり得ると思います。

そういう意味では、学校現場や子育ての現場、また権利擁護、人権擁護の部署を含めて、庁内の連携をより一層深めていくことが必要だと思いますが、伺います。

以上です。

出典:目黒区議会会議録 / 議会中継(録画)

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