2026年2月18日 令和8年第1回定例会 代表質問 松嶋祐一郎議員
私は、日本共産党目黒区議団を代表して、区長の所信表明について代表質問を行います。
1 平和都市宣言区として、軍事費拡大に対し国に是正を求める姿勢
大きな1点目は、平和都市宣言区として、軍事費拡大に対し国に是正を求める姿勢についてです。
物価高騰が長期化し、区民生活が厳しさを増す中で、国の軍事費は、安保法制の下で急速かつ異常な規模で拡大しています。政府は、かつて軍事費をGDP比1%以内に抑える原則を維持してきましたが、2015年に安保法制を強行した後、2022年には安保三文書を策定し、軍事費を5年間で事実上倍増させ、GDP比2%、約11兆円規模へと拡大する方針を決定しました。これは、国民1人当たり年約9万円、4人家族で年約36万円の負担に相当します。
さらに、米国は昨年、日本に対してGDP比3.5%、さらに5%への引上げ要求まで報じられています。仮に5%となれば、4人家族で年約100万円もの軍事費負担となり、暮らしや社会の在り方そのものを大きくゆがめかねない問題です。
さらに、現在の軍事費は、子ども・子育て支援関連予算を大きく上回る規模となっており、軍事費の増額分だけでも全国的な学校給食無償化や医療費無償化の拡充など、暮らしを直接支える施策を大きく前進させることが可能な水準に達しています。
軍事費の急拡大は、単に国家安全保障の問題にとどまらず、予算配分の優先順位の問題として、社会保障や教育、子育て支援を圧迫する構造を生み出しています。こうした軍事費の拡大は、区民の暮らしから見れば、税や社会保障、自治体財政を通じて日々の生活を確実に圧迫する問題です。
区長は、所信表明において、平和都市宣言区として、平和をあらゆる施策の根底に据えると繰り返し述べておられますが、そうであるなら国に対し、軍事費の拡大はやめ、区民の暮らしと平和を守る政治へ転換するよう求めるべきではないかと考えますが、伺います。
2 物価高のもとでの福祉施策の充実
大きな2点目は、物価高の下での福祉施策の充実についてです。
目黒区は、福祉・保健・医療分野の計画体系を再構築し、令和9年度から14年度を期間とする地域福祉保健医療計画を策定するとしています。地域共生社会の実現が掲げられる一方、物価高騰の長期化により、区民の生活困難は広がり、福祉施策の役割は一層重要になっています。計画改定が理念にとどまらず、現に困難を抱える区民の暮らしを下支えする実効性あるものとなるかが問われます。
そこで、以下2点について伺います。
(1)介護人材確保における「本人に届く支援」
1つ目は、介護人材確保における本人に届く支援についてです。
厚生労働省の推計では、2040年には全国で約57万人の介護職員が不足するとされており、東京都においても深刻な人材不足が見込まれています。また、介護職員の平均給与は、全産業平均よりも平均で6万円以上低い水準にあり、物価上昇が続く中で、賃金の伸びが追いついていない実態があります。こうした構造的課題を踏まえれば、働く人の生活を直接支える支援策は、福祉基盤を守るための投資でもあります。
区は、新年度予算において、介護人材確保を目的に、事業者への支援や介護職員宿舎借り上げ補助の拡充などを行おうとしています。しかし、介護人材不足が特に深刻な訪問系や小規模事業所においては、事業者支援が必ずしも現場で働く介護職員の賃金や生活の安定に直結していないとの指摘があります。
一方、東京都では、介護福祉職員本人に直接支給する居住支援特別手当など、働く人の生活を直接支える施策が実施されています。物価高の下で介護職員の生活不安が離職を招いている現状を踏まえれば、事業者支援に加え、働く介護職員本人に直接届く支援の検討が不可欠であると考えます。区として、家賃助成や生活支援など、介護職員本人の生活を支える直接支援を検討すべきと考えますが、伺います。
(2)補聴器助成制度の更なる拡充
2つ目は、補聴器助成制度のさらなる拡充についてです。
加齢性難聴は、コミュニケーションの困難や社会的孤立を招き、認知症リスクの増大にもつながり得る、重要な健康福祉課題です。国際的医学誌「ランセット」の報告では、認知症の予防可能な危険因子の中で難聴が最大の要因とされ、全体の約8%を占めると指摘されています。補聴器の適切な使用は、単なる聴力補助にとどまらず、認知症予防や社会参加の維持という極めて重要な意味を持っています。
区は、高齢者補聴器購入費助成事業を実施しており、令和8年度から助成上限額を5万円から7万円に引き上げるとしています。これは評価できる前進です。しかし、現行制度は、住民税非課税世帯に対象が限定されており、課税世帯であっても年金収入が中心で生活に余裕がなく、補聴器の購入を断念している区民が少なくありません。助成額を引き上げても対象要件が限定されたままでは、必要な人に制度が行き渡りません。所得要件を見直し、課税世帯も含めた補聴器助成制度の拡充を検討すべきと考えますが、伺います。
3 生活保護行政
大きな3点目は、生活保護行政についてです。
令和7年6月、最高裁は、平成25年から27年にかけて国が行った生活保護基準の引下げについて違法であると断じ、処分の取消しを命じました。この判決は、国による恣意的な基準引下げに司法が歯止めをかけたものであり、生活保護制度が憲法第25条に基づく生存権を具体化する制度であることを改めて確認した、極めて重要な判断です。
しかし、国は、違法な基準引下げに対する謝罪や十分な補償を行っておらず、厚生労働省が示した追加給付も一部にとどまり、最高裁が違法と判断した基準引下げの被害を全面的に回復するものとは言い難い状況です。さらに、国は、ゆがみ調整や高さ調整と称して、新たな基準を用いた実質的な再減額を行おうとしており、これは最高裁判決の趣旨に背くものです。
こうした中で、総務省統計によれば、食料品の価格はここ数年で15%以上上昇、電気料金も一時30%を超える値上がりを記録しました。基準引下げの影響が残る中での急激な物価上昇は、生活保護世帯にとって極めて深刻な打撃となっています。
そこで、2点伺います。
(1)生活保護基準引下げを違法とした最高裁判決の受け止め
1つ目として、最高裁が生活保護基準引下げを違法と断じた判決について、国は、いまだに救済策を取ろうとしていません。区長は、この判決をどのように受け止め、目黒区の生活保護行政にどのように反映していくのか伺います。
(2)物価高騰のもとでの光熱費負担軽減策
2つ目は、物価高騰の下での光熱費負担軽減策についてです。
物価高騰の長期化する中で、生活保護利用者にとって、食費や日用品費に加え、電気代をはじめとする光熱費の負担は深刻さを増しています。とりわけ近年は、猛暑や酷暑が常態化し、冷房の使用が命や健康を守るために不可欠となっている一方、電気料金の高騰により、冷房の使用を控えざるを得ない状況に追い込まれている世帯が少なくありません。
実際2023年には、全国で約1,600人が熱中症により亡くなり、その約8割が高齢者でした。冷房の使用は、ぜいたくではなく、命を守るための最低限の生活条件であるという認識に立つ必要があります。新年度予算において、高齢者世帯へのエアコン設置支援が盛り込まれ、生活保護利用者についても制度上は活用可能となりました。
一方で、エアコンの有無だけでなく、継続的に使用するための電気代負担そのものが生活保護世帯にとって大きな負担となっている現実があります。生命と健康を守る基礎自治体の責務として、猛暑、物価高騰対策の下、生活保護利用者が安心して冷房を使用できるよう、光熱費負担の軽減をするための区独自の支援策、夏季加算の一時補助等を検討すべきと考えますが、伺います。
4 配偶者暴力相談支援センターの開設と連携体制
大きな4点目は、配偶者暴力相談支援センターの開設と連携体制についてです。
新年度予算において、配偶者暴力相談支援センターの設置が盛り込まれました。一方で、配偶者暴力相談支援センターが相談の受付や庁内調整にとどまる名ばかりセンターとならないように、被害者と子どもの安全確保を最優先とする、実効性ある支援拠点にしなければなりません。さらに、DV被害者支援には、警察やシェルター、福祉事務所、医療機関、民間支援団体等との連携を含め、実際に被害者の安全を守り抜く体制が不可欠です。
そこで、以下2点伺います。
(1)専門職の配置など人員体制の強化
1つ目は、DV被害者及び同伴する子どもの安全確保を最優先する観点から、DV専門相談員、女性相談支援員、心理職等の専門職を専任で配置することなど、人員体制の強化をどのように進めるのか伺います。
(2)DVと児童虐待が重なる事案における連携体制
2つ目は、DVと児童虐待が重なる事案における連携体制についてです。
DVと児童虐待は、重なって発生することが多く、国の通知でも、配偶者暴力相談支援センターと児童相談所、市区町村の関係機関が緊密に連携し、子どもの安全確保を最優先に対応することが求められています。
目黒区では、過去の児童虐待死亡事件の教訓を踏まえ、転居時の情報共有や引継ぎを徹底する東京ルールの重要性が確認されてきました。また、区は、都の児童相談所を誘致する一方、区独自の児童相談所は設置しない方針であり、都と区の連携の在り方が極めて重要となります。
配偶者暴力相談支援センターの設置に当たり、DVと児童虐待が重なる事案について、都の児童相談所や区のこども家庭センターと東京ルールや国通知を踏まえ、どのような考え方で連携を図り、支援の途切れを防いでいくのか、区長の認識を伺います。
5 パートナーシップ制度の制定
大きな5点目は、パートナーシップ制度の制定についてです。
目黒区は、これまで人権と多様性の尊重を区政の基本に据え、性的マイノリティへの理解促進や、東京都パートナーシップ宣誓制度の活用に向けた条例改正などを進めてきました。
一方で、区独自のパートナーシップ制度については、検討を進めるとの答弁が繰り返されてきたものの、制度の具体像や導入時期は明らかにされていません。この間、全国の自治体では、行政サービスの公平性確保や、当事者が直面する日常的な不利益の解消を目的として、自治体独自のパートナーシップ制度の導入が広がってきました。
また、司法の場においても、同性婚を認めない現行法制度が憲法に反する、あるいは違憲状態であるとする判断が相次ぎ、社会的にも制度の見直しが強く求められています。国連女性差別撤廃委員会からも、日本に対し、性的指向、性自認に基づく差別の解消や同性婚の実現に向けた対応を求める勧告が出されています。
こうした状況を踏まえれば、パートナーシップ制度は、国の動向を待つだけの問題ではなく、自治体として人権を尊重し、区民の生活上の不利益を是正するために主体的に取り組むべき課題であると考えます。区長は、目黒区として独自のパートナーシップ制度を制定することについて、どのような認識を持ち、今後、どのように検討を進めていく考えなのかを伺います。
以上、壇上からの私の質問を終わります。(拍手)
再質問
軍事費拡大と区民生活への影響
それでは、再質問ですが、軍事費の問題から伺います。
答弁では、区として暮らしを守っていくと、物価高対策で、本年度は、区として57億の対応をしてきたということですが、国で軍事費がどんどん急激に拡大する中で、そうする中で、区民生活が圧迫されていく状況について、やはり区として、少なくとも懸念を示す必要があるんじゃないかと。
所得税のうち復興特別税の延長・転用とか、法人税の増税、それから、たばこ税も増税されるというような状況で、区民生活も圧迫される。地方自治体の立場から見ても、地方交付税総額の抑制とか、社会保障自然増の圧縮とか、子育て財源の不足、国庫補助率の見直しとか、こういう懸念があるわけですね。
やはり国の防衛問題、専管事項であっても、財源配分については、やはり自治体財政に直接これは影響する問題で、その影響を受けるのは区民だということで、やはり区長として、こういう国に対して、専管事項だと、国の問題だと言って済ませるのかと。やはり区民の暮らしを守る立場から、国にきちんと意見を述べる姿勢に立つべきだというふうに思うんですけども、区長の認識を伺います。
補聴器購入費助成の3つの課題
それと、高齢者の補聴器購入費助成です。
一定、新年度前進がありましたけれども、やはり3つ課題があると思ってまして、第1に、対象が非課税世帯に限定されている問題。やはり課税世帯であっても、年金収入中心で生活に余裕がない高齢者が少なくありません。こういう補聴器は、ぜいたく品じゃなくて、生活機能を維持し、社会参加を支える医療機器であって、所得要件の見直し、少なくとも段階的な対象の拡大については、検討していくべきじゃないかというふうに思います。
第2に、助成額そのものがこれで足りるのかと。大体補聴器20万から30万しますんで、7万円でいいのかというような問題があります。認知症のリスクの低減の話とか、介護予防にもつながるということで、やはりこれは医療費の抑制であったり、様々メリットもありますので、助成額引上げということも考えていかなくちゃいけない。
第3に、耐用年数です。補聴器、大体一般的に5年程度で買換えが必要とされてますが、現在、区の制度では、再購入時の助成というのはありません。やはり継続的な装用で生活機能を維持していくということが大事ですね。だから、区として、5年おきの買換えのときに対しての助成ということも考えなくちゃいけない。
さっき言った3つ問題があるということですが、高齢化がどんどん進む中で様々な対応が必要と思うんですけども、その点について、補聴器の補助、どういうふうな認識かを伺います。
生活保護:最高裁判決と区独自の支援
それから、生活保護の夏季加算です。
区の答弁を聞いてますと、国の違法と断じられた判決に対して対応をなぞる説明に終始して、最高裁が違法と断じた基準の引下げ、区長としてどう受け止めてるのかということに答えていません。
やはり生活補助費は、国の保障だというふうに言ってますけども、ナショナルミニマム、だけど、過去を遡ってこれを違法だというような判決があって、それでさらに国は、また減額調整を持ち出していると。本当ひどいと思うんですよね。それについて区長は、どういうふうに見ているのかということです。
やはり区長というのは、基礎自治体として区民の命と暮らし、健康を守る責任があるわけですから、そこについて最高裁判決をきちっと尊重して、国にきちっと言うべきことを言う必要もあるし、さらに言うと、国任せにせずに、現状そういう形で本当に最高裁で違法とされた減額の下で、苦しむ生活保護利用者がいると。これは命の問題ですね。冷房、暖房を使えないということで本当に苦しんでいる生活保護利用者の人に対して、区独自でやっぱり支援をしていくという姿勢が今こそ必要だと思うんですが、その点について見解を伺います。
配偶者暴力相談支援センターと児童相談所の連携
それと、配偶者暴力相談支援センターについてです。
配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談について、同伴する子どもがいる場合や、面前DVなど児童虐待が疑われる場合には、児童相談所と情報共有して、連携して対応していくということで今答弁がありまして、これは国の通知、それから東京ルールに照らしても当然の対応です。
私が大事だと思うのは、やはりその逆の流れ、過去に児童虐待死亡事件の検証を通じて、子どもだけを見る、制度ごとに縦割りで対応する、これが非常に危険だということが明らかになって、転居時の引継ぎ、初動での判断、関係機関の情報共有を徹底するという東京ルールが確認されてきました。
DVと児童虐待が重なる事案では、子どもが児童相談所に通告された時点で、母親自身がDVの被害者である可能性をきちっと把握して、どういうふうに支援していくかということが重要なんですね。東京都の児童相談所に児童虐待として通告相談が寄せられたケースにおいて、目黒区の人権政策課の所管している配偶者暴力相談支援センターにきちんとつながって、母親が保護されるのかということが私はすごく心配です。
さっき名ばかりセンターとか言いましたけど、そういうふうになってほしくない。やっぱり単なる窓口じゃなくて、お母さんをきちっと守るという、そういう最後まで守るんだという、そういうやっぱり相談支援センターであるべきだというふうに思うんです。だから、そういう東京都の児童相談所に来た案件が、子どもが危ないと、それだけじゃなく、お母さんはどうなんだと。そういうときに、区の配偶者暴力相談支援センターにつないで、きちんと子どもからお母さんにそういう連携が取れる体制にするということも非常に重要なので、その点について区長の認識を確認します。
以上です。
再々質問:軍事費拡大について国に意見を述べること
最後、軍事費のことを区長、いろいろ答弁で言ってるのは、全く私の質問に答えてないと思うんですよね。軍事費の増大が区民に影響が出て、自治体の財政にも影響があるからという、その問題点を今指摘してるんであって、何か選挙のことはどうかとか、消費税がどうだとかいろいろ言うんだけども、そんなこと聞いてないんですよ。
それで、区長は、だから選挙の結果、こういうふうに軍事費が上がるから当然だというような話なんですか。違うでしょう。自治体にこんなに影響あるし、様々増税も来るんだという話をしてるんです。消費税のことだって、私、自治体に、共産党が自治体に消費税をゼロにして負担するなんて言ってなくて、きちんとタックス・ザ・リッチ、富裕層に負担してもらって、財源の裏づけも示しながら消費税の減税をうちは主張してるわけですよ。
だから、それはねじ曲げて言わないでいただきたいし、一番のやっぱり問題は、平和都市宣言区の目黒区として、やはり平和をあらゆる施策の根底に据えると言ってるんですよね、所信表明でも。だけども、こんなにも軍事費が急増する中で、区民生活を圧迫している。その問題についてどうかと。だから、国にきちっと意見を言って、是正、正していくべきじゃないかということを聞いてるんで、そこに答えてください。
以上。