野沢まり子
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区政報告ニュース
2004年第2回定例区議会 代表質問
代表質問
                           2004.6.18
私は日本共産党区議団を代表して区長の所信表明に対して質問をいたします。今回の区長選挙は、目黒区政史上かつてない区長の自殺と契約課長の逮捕と相次いで不祥事が起きるという異常な状況の下で行われました。
いったい区長を自殺に追い込んだものは何か?
その翌日に逮捕された契約課長の収賄事件とのかかわりは?
等々、今日に至っても何も明らかにされていません。
‘98年10月、区長選挙買収事件でスタートした薬師寺区政は、真っ先に都立大跡地2期工事と上目黒2丁目再開発という2つの大型事業に、区民の強い反対の声を無視して取り掛かりました。その後も、財政難を理由にした区民のための施策を切り捨てる一方で、勧銀グラウンドなど大型公園用地と庁舎関連用地の買いあさり、千代田生命の購入と新庁舎移転という事業を立て続けに進めてきました。そして、そのつど疑惑が指摘されてきたのです。
例を挙げれば・・・
区長選挙買収事件にはじまり、
*都立大跡地2期工事での談合疑惑
*特養ホーム「青い鳥」への補助金をめぐる自民党区議の口利き疑惑
*64億円も高く購入した千代田生命本社ビル
*旧庁舎跡地の39億円もの安売り
そして、
*区長の自殺
*契約課長の収賄事件などです。
わずか5年余りの期間に異常な多さといえます。疑惑がらみの区政運営で、危機的といわれ続けてきた財政状況はいっそう深刻になりました。ところが、今年4月につくられた新実施計画と「行革」推進プランは、危機的な財政を再建するためとして、福祉・教育の切捨てや区民への負担増などを区民犠牲をいっそう押し付ける一方で、上目黒1丁目や大橋1丁目などの再開発や幹線道路計画を拡大・推進するものとなっています。さらに、定期借地権設定による民間事業者への土地の提供、民間委託の推進など、自治体のあり方を大きく変質させるものです。しかも、この計画策定にあたっては、素案に対して出された3000件にも及ぶ区民の意見はまったくといっていいほど無視されてきたのです。
今回の選挙では、このような区民不在の疑惑だらけの区政をなんとしても変えたいという区民の願いが強く示されました。候補者として三役など行政関係者を擁立しようという動きもあったと聞き及んでいますが、厳しい世論の前に断念せざるを得なかったこと、また、与党の中心であった自民・公明両党の推す候補者が敗れるという目黒区政史上はじめての新しい変化を作り出したことにもそのことが現れているのではないでしょうか。
新区長には、こうした区民の願いに積極的に応えていくことが求められています。ところが所信表明では、「愛する目黒がこのままでいいのか」「役人に負けない」といっていた選挙中の姿勢はどこにも見出すことができません。
「区政の信頼回復」と言っても、今回の事件をはじめ区政にまつわる疑惑の真相解明についてはひとことも触れず、「区政改革」も薬師寺前区長がこの3月の所信表明で掲げた「改革、そしてさらなる発展の区政元年」と何処がどのように違うのか、その基本的視点ならびに主要施策も、従来のものをなぞるものが大半で、区政運営の基本は変わらないといわざるを得ません。
6月8日に、契約課長の収賄事件の一回目の公判が開かれました。事件当時、助役は「あくまでも契約課長の個人的な犯罪」と断定し、「組織的な間違いは無かった」といい続けました。しかし、裁判の傍聴者が一様に驚いたのは、日本ビルシステム株式会社の的場社長と加藤契約課長の仲介役を務め、賄賂を渡す場に同席していたのが、薬師寺前区長の選挙参謀を務め、選挙買収事件で自民党の横山区議とともに有罪判決を受けた菊谷元区長室長だったということでした。「やっぱり薬師寺区長が絡んでいたのか」と誰もが思ったのではないでしょうか。
区長選挙買収事件については、真相究明のための100条調査委員会の設置に自民・連合、公明の当時の与党会派が反対し、また薬師寺区長も「私は神輿に乗っただけ」と真相を究明する意思もなく、責任もとろうとしませんでした。こうして今日まで区政をゆがめてきたことが今回の事件の要因となっているのではないでしょか。このような区長を擁護し、事件をあいまいにしてきた行政組織の怠慢も厳しく問われるところです。「個人的な犯罪」と片づけることは到底許されないのであります。
青木区長は、選挙中に「大規模開発に絡む黒い噂、怪文書が飛び交い、前区長の自殺の翌日には契約課長の逮捕と言う前代未聞の目黒区政を見逃すことは出来ない」、「透明度NO.1の目黒をつくろう」と訴え、さらに、法定ビラでは「区民が主役」を打ち出してきました。その立場に立って、今後どのような区政運営を進めるのか、以下の点についてうかがいます。
まず、区政に関わる数々の疑惑の真相究明についてです。
裁判の傍聴を通して、契約という行為は、表向きにはいくらでも公正さを装うことが出来るのだということを知ることが出来ました。的場社長は協力してもらえる業者のリストを渡し、予定価格を事前に知らせてもらうことで、落札することが出来ると考えたのです。つまり業者を指名した段階で、談合が成立しているというやり方です。課長は指示通り指名業者のリストを作り、上から8社を指名し入札に臨んだのです。残念ながら、的場社長のもくろみは談合破りがあって失敗しました。裁判は、的場社長も加藤課長も起訴事実を認め、争わないと表明しており、情状酌量が何処まで認められるかという点が審理の中心となります。したがってこの裁判に事件の全容を明らかにすることは期待出来ません。また、先日出された契約事務改善検討委員会の中間報告も、あくまでも個人的な犯罪であったことを前提にしたもので、これまでの区の説明との食い違いについてもまともに掘り下げていません。これも区民の期待に応えられません。事件の真相をあいまいにしておけば、また同じような不正行為が繰り返されるということは、これまでの薬師寺区政の痛恨の教訓であります。
区政改革を掲げた青木区長の公約からも、区民の清潔な区政実現の願いに応えるという立場からも、また、不正事件の再発防止のためにも、独自の真相究明は不可欠の課題です。今回の事件をはじめ、区政を取り巻く数々の疑惑の真相を究明する第三者機関を設置し、その真相を区民の前に明らかにすべきと思いますが、見解をうかがいます。
第二に、企業・団体献金についてです。
くり返し起きる政治の金権腐敗事件。その温床となっているのが企業・団体からの献金であるということはすでに明らかなところです。二度と不正事件を起こさない清潔な区政実現という区民の願いに応え、区政への信頼を回復するためにも、区長がその先頭に立って姿勢を示すことが必要です。企業・団体からの献金は受け取らないと宣言すべきと思いますが、区長の見解をうかがいます。
第三は、「情報公開」と「住民参加」についてです。
この二つのテーマは、目黒区行財政改革大綱の基本的な課題として掲げられているもので、薬師寺前区長も繰り返し強調してきたところです。しかし、残念ながらスローガンとして掲げていているだけで、実現できていないというのが実態です。青木区長は「情報公開」と「住民参加」をどのように保障し、「区民が主役」の区政を実現しようとしているのか、その具体化についてうかがいます。
第四は、財政再建に向けた取り組みについてであります。
「極めて厳しい区財政の状況にあって、区民ニーズに積極的かつ的確に応えていくためには、行財政改革への果敢な取り組みが不可欠である」としていますが、これも薬師寺前区長の言葉そのままです。何が今日の財政悪化の原因になっているのか、区民が何を切実に求めているのか、そのことを正確にとらえずに、財政再建も、区民ニーズに応えていくことも出来ません。その課題を避けてきた薬師寺区政が、形式的な住民参加の下で作った新実施計画・「行革」推進プランは、目黒区を「開発会社化」させ、区民ニーズに応えるどころか、くらしを守る自治体本来の役割と責任を放棄し、変質させるものとなっています。
青木区長が、区民を主役にして区政改革を進めるというのであれば、あらためて、財政再建と「区民が主役」の区政実現に向けて、住民参加による「行財政運営あり方検討委員会」を設置し、区政のあり方を区民とともに考え、納得と理解の得られる財政再建の具体的な計画を立てるべきではないでしょうか。区長の見解をうかがいます。
最後に、7000万円の経費節減と区長選挙の投票率を上げることを目的にした同日選挙実現という公約についてです。
この問題については、マスコミも注目し、各会派・議員から質問が集中しています。なぜなら、これを実現することはそんなに簡単なことではないと多くの人が考えているからです。投票率を上げることは民主主義を根付かせる上で重要な課題であることは誰もが認識しています。しかし、法の趣旨を捻じ曲げてこれを実現するというのは邪道であります。さらに、議会に頼らなければ実現できないというのではあまりにも無責任といわざるを得ません。投票率向上には、なんと言っても区民に区政に関心を持ってもらうことが必要です。衝撃的な事件を通じて多少なりとも投票率が上がり、区民の関心が高まっている今日、区政が変わると期待している区民を裏切ることなく、清潔でガラス張りの区政、住民参加型の区政運営に全力を尽くすことが必要ではないでしょうか。また、経費削減というなら、わずか4年間で2千万円、1千万円という高額を保障されている区長をはじめ特別職の退職金の削減や、区民の批判が寄せられている議員の海外視察の中止、外部監査で指摘された議員互助会や議員待遇者会への補助金の廃止など、区長の責任ですぐにでも実現できるムダをなくす取り組みこそ優先すべきと考えますが、区長の見解をうかがい、私の代表質問を終わります。





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