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■2005.6.3 新しい学校づくり 「教科教室」の六本木中学校
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新しい学校づくり 「教科教室」の六本木中学校
目黒区教育委員会は、区立第2・第5・第6中学校の統廃合に伴い、新たに整備される中央中学校に「教科教室」方式を取り入れる基本構想素案を発表しました。これは、従来の学級ごとの教室ではなく、教科ごとに教室が配置されており、子どもたちは授業ごとに教室を移動することになります。目黒区では、1960年代に第1中学校でこの方式を取り入れ、短期間でやめてしまった経過があります。�ゝ戮濟�間ごとに移動しなければならず、子どもたちが落ち着かないのでは。��学級内の子ども同士のつながりが希薄になるのでは。�６技佞�教科準備室にいることが多くなり、教師同士の情報交換や連携、子どもと教師のつながりはどうなるのか。等々問題が懸念されます。
「建物は道具」
5月27日、区議団は「教科教室」方式を取り入れている港区立六本木中学校の様子を見に行ってきました。六本木中学校は、98年に２つの中学校を統合して作られた学校です。廊下は緩やかな曲線を描き、教室も職員室も片側は全面大きなガラス窓で、廊下から丸見え。学校全体が開放的で、明るい雰囲気です。特別な部屋をのぞき鍵もかけない。生徒はどの部屋も出入り自由。制服も大まかな色の指定だけで形もまちまち。チャイムも鳴らさず生徒は時計を見て行動します。「主体的に行動する人間を育てる」ことを教育目標で、教師には「生徒を信頼する」粘り強さとおおらかさが求められるようです。ホームベースとしてロッカー室がクラスごとに作られ、ホームルームをするときはその隣の教科教室を使います。給食は200人が入れる多目的ホールなどを使います。教室の前にはフリースペースがゆったりとってあり、授業を始めさまざまな形で活用されています。「建物は道具」なのです。
閉鎖的になる「教科準備室」は作らない
目黒区の素案ではフリースペースの一角に「教科準備室」が設けられていますが、六本木中学では「教科準備室」はありません。「その様な部屋を設けると教師は準備室に閉じこもるようになる。だんだん閉鎖的になってしまい、コミュニケーションが取れなくなる」のだそうです。
十分な論議は不可欠
六本木中学校では、新しい学校づくりにあったって、学校のあり方や教育方針など十分な論議を重ねてきたこと。新しい教師が入ってくるたびにその理解を深めてもらう努力をしていると校長は強調します。
小規模校だからできる？
クラスごとのまとまりについては、小規模校（1年3クラス、2年3クラス、3年2クラスの計8クラス）ということもあり、子どもたちが自由に交流することで、特にクラスを意識しなくてもよく、不登校の子どもたちには通いやすい環境なのではないかということでした。目黒区教育委員会が打ち出した「中学校の望ましい学校規模」は11クラス以上としており、中央中学校は15クラスまで対応できる施設として計画されています。9クラスを予測して作られた六本木中学校とは、教育条件がかなり違います。規模が大きくなれば、「自由な交流」といっても限界があります。目黒区ではロッカー室兼談話室のスペースを拡大し、給食が食べられるくらいの広さにすることも検討されているようですが、どのような教育目標を持つのか、そのための施設はどのようにあるべきかなど、教師をはじめとする関係者の十分な論議が不可欠の課題であることを実感しました。
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