森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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区政資料室

(施設)区有施設見直し問題を考える(2)



目黒区が公表した区有施設見直し方針案は、有識者会議の区有施設見直しに関する意見書を尊重して作ったとしていますが、尊重どころかまるでそのまま使ったところがほとんどです。12月25日から2月3日まで、区は区民意見募集を行いますが、そもそも、有識者会議の意見書に関連して、私は次のような問題点があると考えています。

(1)

1.区は、当初、区有施設の見直しにあたって公募区民を入れた検討組織をつくることを約束していたがこれを反故にした。そもそも、有識者会議座長の根本祐二氏は、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)の出身であり、開発銀行の立場から地域開発をどう進めるかを研究してきた。また、他の3人のメンバーも含め、自治体の役割や区有施設の設置目的に精通していると思えないメンバーで構成されたことは遺憾である。

(2)

2.しかも、区民や団体の声を全く聞かなかったことも問題である。その上、利用者アンケートや区民アンケートについての分析がどう反映されたのか全く分からない。区民アンケートに至っては、結果報告さえされていない。一度だけ施設の視察を行ったが、317施設からすれば極めて一部だけであり、目黒区の区有施設の実態を踏まえた分析とは言えない。

(3)

3.従って、施設ごとの設置目的や各施設の果たしてきた役割、目黒区の特質を踏まえた分析にはなっておらず、もっぱらコスト論だけで判断している。その結果、区民に必要な施設であってもコストが高ければ統廃合することと荒っぽく施設のあり方や方向性を打ち出している。

(4)

4.目黒区は「財政非常事態宣言」を出し、老朽施設の更新負担が加わるから、「深刻な危機であることを認識しましょう」と呼びかけている。「財政非常事態宣言」の内容や原因についてはまともに調査していないし、そもそも、区の「緊急財政対策」を「財政非常事態宣言」と勝手に言い換えていることは、出発点からおかしいと言わざるを得ない。

(5)

5.「後は、区と区民の皆さんの仕事」としているが、机上の「仕分け」に似た荒っぽい短時間の検討で個別の施設の方向性まで打ち出している。こうした結果としての提言は、施設の統廃合や複合化、民間施設の利用や、民間の活用、受益者負担の適正化など、区民サービスにどう影響するか、区民の権利保障の点でどうなのか、など多くの点を無視したものとなっている。
①男女共同参画センターや中小企業センターなどについては、拠点施設は不要だとしているがとんでもない。区営住宅は多すぎるというが、都営住宅が全都1極端に少ない目黒区の実態を踏まえず、住宅は人権の立場に全く立っていない。
②小学校の「統廃合に関するルールの設定」すること、児童福祉施設も容赦なく民間資金活用や民設民営化をすすめること、地区図書館を学校図書館との共用することなどを打ち出していることも問題である。(中央区では、小学校統廃合後に、児童が増え続け、学校が足りなくなって困惑している)

(6)

6.区は、区有施設見直し方針案を策定するにあたって、施設の統廃合や民営化計画を一方的に進める立場ではなく、区民に区有施設の見直しについて説明を徹底し、住民の意見を十分に聞く時間と手続をとるべきである。


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