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■273号 アスベストの実態調査と対策を徹底的に
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目黒でのアスベスト使用建築物の調査結果
国交省と都からの調査依頼にもとづいて行った目黒区内の吹付けアスベストの使用状況に関する調査結果の中間報告が9月16日都市環境委員会に報告されました。
アスベストによる健康被害は、肺がん死亡者が中皮腫の10倍にも及んでいたということも判明しました。アスベスト対策がなぜこれほど遅れたのか。せめて、今後の対策を緊急重要課題として最大限位置付けることが大切です。
調査対象は1000㎡以上の大規模建築物だけ
調査対象建築物は、1956年から1988年の間に建築された民間建築物で1000㎡以上の大規模建築物。1次調査は、1956年から1980年のもの291棟。2次調査は、1981年から1988年のもの292棟。
今回の報告は、1次調査の分です。
室内または屋外に露出した吹付けアスベストは使われていないが、103棟。
室内または屋外に露出した吹付けアスベストは使われているかどうかは不明16棟
うち、損傷なしが9棟。損傷ありが7棟で、うち検査予定ありが5棟、検査予定なしが2棟。
露出した吹付けアスベスト14棟
室内または屋外に露出した吹付けアスベストは使われているが14棟ありました。
うち、除去等対策済みが5棟、損傷なしが5棟、
損傷ありで対策予定ありが1棟、対策予定なしが3棟、という結果でした。
未報告158棟
また、今回対象の291棟のうち未報告が158棟もあります。
今後区では
今後、区では、対策が未定のものについては改善指導を行うとともに、不明のものについては、専門家による調査を行うよう指導する。また、未報告のものについても速やかに報告するよう引き続き要請する、としています。
調査の不十分さを補うとりくみを
1000㎡以上という限定された大規模建築物を対象に行っている今回の調査でもこのように不十分さがあらわれている状況です。区が今定例会で約束したアスベスト使用建築物の解体工事説明会を義務付ける要綱を1000㎡以下のすべての建築物を対象とすることも含めしっかりしたものを策定させていかなけれならないと痛感します。
北部地域では、大橋ジャンクション、東山公務員宿舎、上目黒1丁目再開発にかかわる解体工事が進められています。慎重な調査と対応が必要です。
実現したアスベスト助成と融資の内容
9月補正予算で組まれたアスベスト助成と融資については、 住まいへの対応として、 ①アスベスト調査費への助成は、調査費の2分の1で住居は10万円限度、分譲住宅の管理組合は20万円限度。事前申請、施行確認後支出。
②アスベスト撤去工事については、 リフォーム助成の活用により工事の5%で限度額10万円(区内業者による工事のみ)。住宅修築資金融資の活用は、区内の指定信用金庫への斡旋、利率2.2%で融資。
また、中小業者への対応として、 アスベストへの撤去工事を工業近代化資金融資の対象に加え、利率利子補給1.9%、本人負担0.3%。
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