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区立保育園の民営化に関する計画素案の撤回を求める陳情の賛成討論

2021年9月の目黒区議会第三回定例会で松嶋区議が行った「区立保育園の民営化に関する計画素案の撤回を求める陳情」に対する賛成討論は以下の通りです。
私は日本共産党目黒区議団を代表して、ただいま議題となりました、陳情3第23号区立保育園の民営化に関する計画素案の撤回を求める陳情書について、不採択とする委員長報告に反対し、この陳情を採択すべきだという立場から討論を行います。
本陳情は、目黒区が進めている区立保育園の民営化に関する計画(令和3年度から11年度)素案を撤回してくださいというものです。この陳情を出されたひもんや保育園の保護者有志の皆さんの思いは、陳情の趣旨にも書かれているように、「目黒区の説明や表現に問題があり、丁寧な説明がなされていないこと」や「子供の受ける影響について判断する材料があまりにも少ない。」「説明会で納得ができず不安が払拭できない」ため、素案そのものの撤回を要望するというものです。
 この陳情には、保育園保護者の皆さんからの民営化計画に対する様々な懸念や問題が指摘されており、そのどれもが重要な指摘です。この陳情にある碑文谷保育園有志の皆さんが、民営化計画素案が納得できずに、撤回を求めるに至った点を3点取り上げてみます。
一つ目は、目黒区が民営化の成果としてあげている部分についてです。目黒区は、民営化の成果として、延長保育や、裸足保育、縁側保育をあげます。しかし、それらはすでに区立園でも行っており、民営化しないとできないことではありません。区立保育園の設置者である目黒区自らが子どもたちのために、長い歴史の中で多様な保育をやってきたことを自ら否定するような説明を行なっているのです。
二つ目は、公立園へのニーズが大きいという事実を区民へ伏せている問題です。東京都の保育ニーズ実態調査でも、公立の希望者が多いとあります。公立園へのニーズがあるわけです。こういう重大な事実を伏せ、区立保育園の廃止を正当化し、民営化を進めることに保護者は強い不信感を抱いているのです。
三つ目は、第三者評価の利用者アンケート調査の結果についても不信感があると述べられています。目黒区は前回の民営化計画では、5園を民営化していますが、民営化された園のアンケート結果の公表がたった1園だけでした。なぜ1園だけなのでしょうか。また、この園のアンケート項目にある安全対策では「どちらともいえない」「いいえ」との回答が6割以上、「園との信頼関係」や、「子ども同士のトラブルへの対応」においてはいいえ、どちらとも言えないが5割を占めており、良好な満足度とはいえません。にもかかわらず素案では「区立園と同等ないしそれ以上に良好」と誤認させる表現になっており、保護者は信頼できないと言います。
このように、素案そのものの説明があまりにも民営化ありきの恣意的なものです。それについて保護者が住民説明会で問題を指摘し、訂正を求め、新たな計画に基づいて、改めてきちんと説明会を行うべきと訴えても、聞き入れてもらえないと言います。陳情者がいうように、説明が不十分だというのは当然ではないでしょうか。目黒区は「説明を尽くし理解を求める」と言いますが、これで丁寧な説明をしているなどと言えるわけがありません。保護者や地域住民の不安や疑問を置き去りに、一方的に進めるこの計画は、住民が主人公の区政運営とはいえず、計画素案は撤回するよりほかありません。
日本共産党目黒区議団は、この間、子どもの最善の利益、保護者、区民の立場に立って、保育園民営化の様々な問題点を指摘し、撤回を求めてきました。とりわけ、このコロナ禍でケアに手厚い社会が求められています。ひもんや保育園保護者に事前説明もなく、民営化によって新入園児に2度も転園を強いるなど言語道断です。民営化計画のもとで、子どもたちをモノのように扱うことは、子どもの最善の利益を掲げる「目黒区子ども条例」にも反していると言えます。目黒区が経費削減のために公的保育を投げ捨て保育園民営化を強行に進めることによって、保護者や子どもたちに大きなストレスがかかっているのです。今、このコロナ禍で、保育園の民営化計画を強行に進める必要があるでしょうか。区立保育園は保護者、保育関係者、行政が一緒になって、素晴らしい保育を作ってきた長い歴史があります。それを壊して良いのでしょうか。陳情者をはじめ、目黒区の子育て世帯が切実に願っているのは、命と暮らしを支える目黒区の役割であり、安心して子育てができるために公的保育を守ってほしいという思いです。こうした保護者や区民の声に応えるためにも、日本共産党目黒区議団は、この陳情は採択すべきだと訴えて、討論を終わります。

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