党の政策
今年度下半期も物価上昇、くらし、営業支援の強化を。不十分な補正予算案に反対しました(岩崎議員の討論)
目黒区議会第3回定例会に提案された補正予算案について、反対の立場から討論を行いました。内容は次の通りです。
私は日本共産党目黒区議団を代表し、議案第58号、令和8年度目黒区一般会計補正予算第2号に反対の立場から討論を行います。
反対する主な理由は、昨年度の決算を反映した年度中間の大きな補正予算編成であったにもかかわらず、区民の生活や営業への抜本的な支援が希薄であるためです。
7月の実質賃金は前年同月比で2.4%増え、7か月連続プラスになったものの、8月の消費者物価指数は前年同月比で1.7%上昇し、8月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比1.8%上昇しました。10月以降の今年度下半期でも物価は総じて上昇基調で、前年より高い水準が続く見通しだと予測されています。原油高や中東情勢の影響でエネルギー関連コストが上昇し、電気・ガス・物流費などに波及し、10月から電気代とガス代は値上がり、10月に値上げ予定の食品・飲料は3000品目を超えるとされています。円安も輸入品価格を押し上げており、食料品や日用品の再値上げ要因とされ、内閣府の年央試算では、2026年度の消費者物価上昇率の見通しを前年比約2.2%へ上方修正しています。
このようなもと、建設業者からは急激な価格高騰と供給不安、目詰まりが広がり、多くの資材で価格改定や受注制限、納期調整、生産停止などが相次いで通知され、現場では「見積もりができない」「契約済み工事でも採算が崩れる」「材料が入らず工期が読めない」といった深刻な状況が続き、単なる「不況」の枠を超え、戦後最大の危機ともいえる状況に直面していると、区議会への陳情などでも示されています。
保育、介護、障害福祉の分野でも、歯磨きの介助時に使う手袋を片手だけにすることを検討しているなどの実態があり、市場任せや個別対応にとどまらず、地域経済を支える中小企業を倒産・廃業から守り、福祉分野を支える対策が急がれます。
区民のくらし向きについても、目黒区世論調査・区民満足度調査の中間報告で、昨年と比べた暮らし向きは、『変わらない』が58.5%を占める一方、『苦しくなった』も34.4%を占め、その理由として、「営業不振などで給料や収益が増えない、または減ったという回答が30.9%、「失業、退職、病気などで働けなくなった、あるいは働き手が減った」という回答が12.3%、「その他」として「物価の高騰」や「家賃の値上がり」などが挙げられています。
この補正予算で、区は原油価格・物価高騰対策分として1億2500万円余を計上し、いくつかの支援策もありますが、実態と照らし合わせ、区民の暮らし向きへの支援も、建設業者や福祉・介護事業者など、中小事業者に対する支援も非常に弱いといわざるを得ません。
日本共産党区議団は5月に区にたいして「イラン戦争の影響から区民のくらしと営業を守るための申し入れ」を行い、早期に補正予算を組んで、影響を受けている中小事業者に、物価高騰等対策融資の無利子期間の延長などの融資制度の要件緩和、返済猶予などの対策をとることや、影響を受けている中小事業者にたいし、固定費や燃料費、家賃などの支援を行うことなどを要請しましたが、そうした内容も見当たりません。
現在、23区のなかでも学用品の購入や修学旅行費の負担軽減や、介護事業者への支援、電気代やガス代の補助など、区独自で支援策を行っている区が多くなってきています。目黒区としても、区民支援を強めるべきです。
次に、学校の空調設備更新についてです。
区は今後の空調設備の更新が必要な22校のうち、16校について包括リース方式を採用するとし、その理由として区の直接発注工事で行った場合よりも包括リース契約の方が、1億5千万円、6%の削減効果があることを挙げています。それにより、今回の補正予算では44億7900万円余の歳出減額を行う一方、来年度から13年間にわたり32億2400万円余の債務負担行為を設定します。
13年間という長期のリース期間の設定で、金利については13年間でどれくらい変動するかという問題があり、手数料や保守や保険の費用が変動する可能性もあります。経済情勢などの変化により契約関係の変更を余儀なくされる事態も考えられ、緊急的な対応が必要になる場合も想定されます。また、区内業者の仕事確保のうえでも影響が出てきます。
最終的な歳出削減効果の保障は区もないと答弁しています。債務負担の新たな増額を避けるなどの対策を求めます。
次に財政運営についてです。
この補正予算では、歳出で小中学校の空調設備の更新について、16校の空調設備更新を包括リース方式にしたことによる44億7900万円余の大きな減額があり、財政調整基金を新たに18億3100万円余を積み立てるとともに45億1900万円余を繰り戻し、これにより、財調基金の残高は補正1号段階での385億9600万円余から449億4600万円へと大きく回復させました。
区は今後の財政見通しとして、歳入の増を前提とした予算編成はできないことや、 歳出面では引き続き、子育て施策の拡充に伴う経常的経費の増加と高齢化の進展による社会保障経費の増加が見込まれること、区有施設の更新に今後40年間で約2,600億円の財源不足が見込まれ、歳出の削減に取り組み、基金の確保を進める必要があるとしています。
区長は449億円ではリーマンショックが5回きたら持ちきれないと危機をあおっていますが、2029年度には本当に財調基金は150億円程度になるのかは定かではありません。また、区有施設の更新などで普通建設事業費が膨らみ、大きな財源不足が見込まれ、歳出の削減が必要であるのであれば、多額の税金の投入を伴う大型再開発事業こそ見直すべきです。
最後に、住民の生活や営業支援は、一つの自治体で担いきることはできません。目黒区としても国や東京都に対し、くらしへの支援や働いている人たちへの賃上げ、倒産や廃業を起こさせないための支援、自治体が行う独自支援への財政措置を積極的に要望することを強く求め、反対討論とします。