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目黒区基本構想素案に対する意見を提出しました

 目黒区基本構想素案に対する意見
                                     2020年12月4日
                                        日本共産党目黒区議団

 基本構想は、区自身が示しているようにあらゆる行政計画の上位に位置するもので、区民と区行政にとって憲法ともいえるものです。その立場に立って、意見を述べます。

1、第1章 基本構想の役割について
 現基本構想の役割の中では「目黒区は、すべての目黒区民の信託に基づき・・・区民の声を踏まえ、自らの責任と判断により政策を決定・実施し、その責任を目黒区民に対して負う基礎的自治体です」と基礎的自治体の役割を示しています。今素案の中でも、きちんと明記すること。

2、第3章 まちの将来像について
 20年後のまちの将来像として『さくら咲き、心地よいまち ずっと めぐろ』のスローガンを掲げ、「・・いつでも、いつまでも「心地よい」と感じることができるまちを目指します」と書かれています。「心地よい」とは、感覚的に気持ちよく感じることや快適なことを表す言葉ですが、行政の計画として、こうした感覚的な言葉でよいのかという疑問があります。
 将来像の考え方の中には、「区民と区が共に力を出し合って築いていくことが求められる」とあるように、区の将来はつくっていくもの、切り開いていくものという区民と区の能動的な営みです。「ともにつくる」という意味合いの言葉が必要だと思います。
 また、20年後の目黒区では、もっと個々の区民の個性が多様に生き生きと花開くまちを実現することが必要なので、「人間性の尊重」「多様性の尊重」などの言葉が望ましいです。スローガンと本文を再考すること。

3、第4章 構想実現のための区政の運営方針について
 ○平和の希求と人権・多様性の尊重について、
   「世界の恒久平和は人類共通の願いであり・・平和な社会を次代に確実に引き継いでいきます」と一般的な言葉で書かれていますが、目黒区には「平和憲法を擁護し、核兵器のない平和都市であることを宣言する」と掲げた平和都市宣言があります。宣言区として、その立場で平和の取り組みを行っていくことを明記すること。
 また、多様性の尊重については、「・・全ての人の人権が尊重され、個性や違いを認め合うことができる意識の醸成を図ります」と書かれています。
目黒区は、「目黒区男女が平等に共同参画し性の多様性を尊重する社会づくり条例」の下で、性的指向及び性自認に基づく困難など解消に向けた対応指針をつくりました。「意識の醸成を図る」にとどまらず、ジェンダー平等に向けた具体的な取り組みを進めていくことを明記すること。

 ◯区民と区が共に力を出し合い連携し・協力する区政の推進
  区民こそが区政の主人公であり、区政に参加することが重要です。「住民自治の確立」の文言を加えること。

 ○未来を見据えた持続的な行財政運営について
  「これまでの仕組みや慣行にとらわれず、果敢に変革に挑戦できる人材を育成し」とありますが、そもそも公務員は、住民に心を寄せ住民の立場に立って働く全体の奉仕者です。こうした立場にたった質の高い人材を育てることこそが重要です。「果敢に変革に挑戦できる人材を育成し」を訂正すること。

4、第5章 基本目標について
  ○基本目標1 学びあい成長し合えるまちについて
   本文の中に「あらゆる場面で子どもの権利を尊重し・・」と書かれていますが、目黒区は全国でも先進的な子ども条例を持つ区です。子どもの最善の利益を保証したこの条例の下で、安心して生み育てられていくことを明記すること。また「子どもたちが個性を認め合いながら、学び、育ち、将来の社会の担い手として健やかに成長できる」となっていますが、学びの前に「一人の人間として豊かに」を加えること。

  ○基本目標3 健康で自分らしく暮らし続けられるまちについて
   現在の政権による「地域共生社会」の実現をうたった社会福祉法の改定が行われました。この改定は、地域推進の主体に地域住民を位置づける一方、国や自治体の役割は「互助の場」の創設にとどまり、地域福祉の理念をゆがめ公的責任のさらなる後退につながるものです。「地域共生社会」の言葉が書かれていますが、安易に使用しないこと。複雑な課題を抱えた人たちが尊厳を持って生きるためには、まず公的支援の保障が不可欠であり公的支援の強化を明記すること。

  ◯基本目標5 安全で安心に暮らせるまち
   「自助・共助・公助」の言葉が書かれていますが、菅政権の「自分の身は自分で守れ」という自己責任論を連想するものです。新型コロナの世界的な感染や大地震、台風や豪雨など自然災害への対応は、自己責任だけでは限界があるのは明らかです。公的な支援の重要性を強調すること。
                                                                                                                               以上 
                                


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