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公の施設使用料見直し方針(改定案)にたいする意見

 日本共産党目黒区議団は10日、施設使用料を値上げする「公の施設使用料見直し方針(改定案)」にたいする意見を区に出しました。内容は次の通りです。

公の施設使用料の見直し方針(改定案)に対する意見
                             2012年8月10日 
                             日本共産党目黒区議団

1.8月10日の区議会区有施設等調査特別委員会で、区は「区有施設基礎データ集」についての報告をおこなったが、その内容はデータの訂正に次ぐ訂正であり、議員から「こんなずさんな資料で質疑ができるか」との声が噴出した。施設使用料の値上げ案のもとになっている区の資料がまちがいだらけで、施設使用料の値上げを区民に押し付けるなどとんでもない話である。
 しかも、区職員に対する値上げ案の周知も不十分で、区民に説明すべき職員自身が値上げ案の内容をよく知らないといった状況もある。
こういった状況で値上げ案を区民に提案すること自体、無責任極まりないやり方である。即刻、値上げ案を白紙に戻し、9月議会での条例改定も撤回すること。

2.また、区民生活とのかかわりでも、区民の実態がたいへんな時に値上げすべきではない。
2年前に使用料の値上げが提案されたとき、区民や議会から「景気が悪いのに、なぜ値上げか」といった声が噴出し、区は値上げを見送った。しかし、経済状況は2年前と比べても一向に改善されず、区民の家計収入は伸び悩み、お年寄りの年金収入は毎年引き下げられている。
区民は、自主的にグループをつくって様々な活動をしている。こうした区民団体も会費収入の減少などにより財政がきびしく運営に苦慮しているのが現状である。こうした中での大幅値上げは、多数の団体の存続にかかわる影響が出かねない。景気動向が2年前と変わっていないのに、使用料を値上げすることは道理がない。値上げ計画は白紙に戻し、9月定例会で条例を改定することもやめるべきである。

3.公の施設に「適正な受益者負担」「利用者と未利用者の負担の公平性の確保」の考え方を強調するのは間違っている。
公の施設は、全ての人々を対象に、それぞれの施設の設置目的に沿って、生涯を通して学習・芸術文化活動、スポーツや健康づくり、環境保護や福祉ボランティアなどに親しみ、促進を図ることが目的である。「受益者負担」によって大幅に値上げすることで、施設を利用しにくくなる区民や団体を出すことは「公平性」に反する。収入にかかわりなく、区民一人ひとりが等しく公の施設を利用できるようにすることが自治体行政における「公平性の確保」である。「適正な受益者負担」「利用者と未利用者の負担の公平性の確保」という文言は削除すべきだ。

4.区が策定した「行革計画」による「収入確保額」を大幅に超える負担増となっており、区民により一層の負担を押し付ける計画はやめるべきだ。
住区会議室、ホール、体育施設など今回いっせいに値上げしようとする区内施設の使用料の値上げ率をみると、2015年度には現行の約34%増の大幅値上げ。「行革計画」による「収入確保」目標は、2014年度で総額5000万円であるに対し、値上げ案は1億2000万円に上る「確保額」になる。「行革計画」で区民生活に犠牲を押し付け、それに輪をかけた犠牲を施設使用料の値上げで押し付けるやり方はやめるべきだ。

5.使用料の算定方式にいくつもの問題点があり、値上げにつながる検討はやめよ。
①付加価値の高い施設や民間と競合する施設は高くするとしているが、トレーニング室やプールの一般開放は、医学的なリハビリや健康回復のために医師からすすめられて利用している区民も多くいる。また、ポニー園については、幼稚園、保育園、障がい者福祉団体など子ども、障がい者の利用が多く、教育的・福祉的な役割を果たしている。パーシモンホールについては、年齢にかかわらず区民が音楽、演劇、映画など幅広い芸術文化活動に参加できるような公会堂機能を発揮することが求められている。「資本的経費」なるものを持ち出し、負担割合を100%にするような算定は改めよ。

②利用が多い時間・曜日は割り増し料金をとるとしているが、勤労者、とりわけ共働き世帯は平日の夜間や土日休日の利用に集中するのは当然で、かえって「公平性」を損なうもので見直すべきだ。

③近隣区の高い利用料を反映するとしているが、これでは際限のない使用料の値上げ競争になる。目黒区が近隣区と比べても低廉な使用料に抑えてきた従来の立場を貫くべきだ。

④使用料について4年ごとに見直すとしているが、社会経済状況をわきに置いて機械的に見直すことは、区民生活の実態を無視することにつながりやめるべきだ。

6.2011年度決算の速報値では、区税収入が約4億円増収になるなど、歳入は予算比で約2%増と財政が悪化しているわけではない。一定の基金を繰り入れたとはいえ、先行して行われた緊急財政対策による歳出削減を反映して黒字額は前年度比約5割増となった。施設使用料値上げを押し付ける理由はまったくない。区は、値上げにより得られた財源を他の区民サービスに振り向けると説明しているが、中目黒駅前や西小山駅前の大型開発に振り向けるのであれば、過去の経緯から言っても絶対に許されない。「目黒区は赤字」と広く思わせるような意図的なキャンペーンはやめるべきだ。

7.区民が知らないうちに強引なやり方で押し通そうとするのではなく、説明責任と住民参加を徹底すべきだ。
今回、区議会・議会運営委員会に値上げ案を提示したのは7月26日。特別委員会での質疑は翌27日。そして、区議会各会派の意見〆切は8月10日。区民意見募集締め切りは8月20日。お盆休みをはさみ、区民の多くが夏休みをとっているときに意見募集を締め切って9月議会で条例改正するなどといったスケジュールは、まったく区民を軽視したとんでもないやり方である。説明責任と住民参加をないがしろにした今回の区民不在のやり方は、住民自治に向けた住民参加による協働・地域づくりの基本構想・基本計画の理念にも反する。
区民への説明期間もきわめて短く、住民自治のあり方にも反する今回の値上げ提案は、直ちに撤回すべきである。

以 上

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