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党の政策

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目黒区議会=自民、公明、民主が東京オリンピック招致支援の決議を強行。岩崎議員が反対討論

 目黒区議会で6日、自民党、公明党、刷新(民主党)の3会派が、「2020年東京オリンピック招致を全面的に支援する」との決議案を提出し、賛成多数で可決しました。日本共産党、無所属独歩の会、みんなの党、生活者ネットは反対しました。岩崎ふみひろ議員が反対討論に立ちました。要旨は以下の通りです。

 私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第60号、第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に関する決議に反対する立場から討論を行います。

 第1の理由は、2年後のオリンピック開催都市決定をめざして、都はただちにインフラ整備を初めとした莫大な招致関連経費を投入することになるからです。

 わが党は、2006年3月議会にオリンピック招致決議が議員提案された際、オリンピックが巨大開発の口実とされ、環境破壊につながるような計画とセットとされるのであれば、招致には賛成できないことを述べました。当時の石原知事の発言は、オリンピックの東京招致が大型開発のてことされ、都民と都財政に深刻な影響を及ぼす危険性を明白に示していました。

 実際、提案者も答弁したように、2016 年オリンピック招致活動には約150 億円もの税金がつぎ込まれました。都は招致経費で65億円、広告などムーブメント活動に84億円をかけたと報告していますが、具体的に何に使ったのか、いまだに都は明らかにしていません。そのほかにも、石原知事がオリンピック招致を目的に2009年度に実施した4回の海外出張では、総額1億3046万円が使われ、招致本部の人件費は28億6200万円、生活文化スポーツ局のスポーツイベント等には14億2570万円などと、150億円に加えて50億円の招致活動をおこない、総額で200億円にも上っています。

 その結果、福祉・医療、雇用、子育て・教育を充実させてほしいという都民の願いはないがしろにされてきました。

 そして、石原知事は今回も、「オリンピック招致という闘いに挑むかぎり、勝たなかったら意味がない。東京は汗かいて血みどろになってカネつくるし施設もつくる」と発言し、前回の招致の時と同様の姿勢を示しています。

 引き続き、オリンピックをテコに、1メートル1億円かかる外環道をはじめ、高速道路多摩新宿線、羽田と築地を結ぶトンネル道路、巨大港湾施設などの過大な都市施設建設を推進し、そのために莫大な財源をつぎこむことが計画されています。

 いまなによりも、国や都が力をそそぐべきは、被災者が納得できる生活再建、被災地の復興、放射能汚染の収束であり、地震に強い防災・福祉の国と東京都をつくることです。そのためには、温存されているオリンピック招致の準備基金、4000億円は都民のために防災・福祉にこそ使うべきです。復興支援や防災対策が最優先されるときに、4000億円余を温存し、復興や防災・福祉都市づくりに一切まわさないことは都民の要望ともあいいれません。

 第2の理由は、石原知事も提案者も認めるように、オリンピック招致への世論は全く高まっていないことです。

 オリンピック招致についての世論は、朝日新聞の報道では「反対」が8割、日経ビジネス・インターネット版では7割が「否定的」であるなど、ほとんどのマスコミの調査で、「反対」「否定的」という声が多数を占めています。

 日本共産党都議団は、東京都の「都民の声総合窓口」に寄せられたオリンピック招致についての意見、要望などの情報開示請求を行い、9月22日に文書が開示されました。今年6月から8月にかけ、電話・FAX・メールなどで寄せられた意見・要望などは420 件でした。

 そのうち、オリンピック招致に「反対」は346 件、82%、「賛成」は38 件、9%、
「どちらともいえない」は36 件、9%であり、招致反対が大多数でした。その理由は、「東北の復興、防災対策こそ優先すべき」「原発事故、放射能汚染が深刻で招致すべきではない」「税金はオリンピックではなく、福祉の向上のために有効に使ってもらいたい」などというものです。

 こういった東京都に寄せられた声を見ても、オリンピック招致は明らかに世論に基づくものとはいえず、このまま強行することは民意を踏みにじるものです。

 第3は、東京都がオリンピック招致予算など、具体的な経費がどれくらいかかるのか、一切、示していないことです。招致活動経費について、都は2016年招致の時の半分、75億円に抑えるといっていますが、その内訳すら示していません。これでは、都民に責任を負った提案とはとてもいえません。

 都民の82%がオリンピック招致に反対し、税金は東日本大震災の復興財源や防災対策の強化のために使うよう要望する声が多数を占め、いまだに都の招致活動費の全体がわからない中で、目黒区議会が拙速に都のオリンピック招致に手を貸すことほど、おろかなことはありません。

 オリンピックについては、被災者も納得できる復興をはじめ防災・福祉の国づくりが軌道にのるなかで、仮に国民の招致の声が広がれば、その時点で、どの都市でおこなうかもふくめて検討すればよいことです。そして、目黒区議会も、そういった地点で初めて、区議会としてどう対応するのか検討すればよいことです。

 以上、今ただちに決議をあげる必然性はなにもないことを指摘し、決議に対する反対討論といたします。

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