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目黒区 男女平等・共同参画推進計画(素案)への意見

 日本共産党目黒区議団は、以下の計画の意見を区に提出しました。

目黒区 男女平等・共同参画推進計画(素案)への意見

2010年12月14日 日本共産党目黒区議団

第1章 計画の基本的な考え方

1.計画改定の趣旨

(1) 今回の計画改定は、計画期間の終了や「配偶者暴力防止法」の制定、「ワーク・ライフ・バランス」の推進など、「社会情勢の変化によって生じた課題に対応するため」としているが、それだけではない。
国連の女性差別撤廃委員会の勧告は、雇用、暴力防止など26項目にもなり、女性差別解消に向けた日本政府の取り組みが進んでいないことを厳しく指摘している。また、結婚最低年齢の男女差、女性のみに課した再婚禁止期間、夫婦同姓強制などを定めた民法については前回も指摘があったが、今回は「即時改正すべき」と勧告。さらに雇用や公的活動などへの参画が進んでいないとして、暫定的特別措置(ポジティブ・アクション)を取るよう求めている。
世界のなかでもとりわけ遅れている日本の男女平等の実態を、どうただしていくのか区としても国に意見をいっていくことが必要であるとともに、区としても実効ある措置をすすめていくことが、とくに求められている。そういった観点が素案にはきわめて弱いので、改めるべきである。

(2)男女平等・共同参画が進んでいない原因として、「職場や家庭、地域においては依然として固定的な性別役割意識が根強く残っている」など、意識の問題ととらえている記述がある。しかし、非正規雇用の広がりや賃金差別、不当解雇、長時間労働の広がりで女性の健康破壊が広がっていることなど、国の雇用施策が女性の地位向上を阻害しているといった客観的な要因がある。このことも計画の中に記述すべきである。

第2章 計画の内容

1.あらゆる分野における男女平等・共同参画の推進
1−1 政策決定および意思決定過程への男女平等・共同参画の推進の部分

(1)目黒区ではなぜ、審議会等の女性委員の割合が50%の目標に比べて32%と低いのか、区の女性管理職についても約1割と低いのか、その分析が必要である。

(2)区の職員は、「行革」のもとで人員が削減され、課長職や係長職の仕事がたいへんになっている。こういったもとでは、女性管理職の仕事と家庭は両立しにくい。「行革」計画が男女平等・共同参画の障害になっていることを指摘すべきである。

1−3 働く場における男女平等・共同参画の促進

(1)現状分析のなかで、女性雇用者の半数以上が非正規雇用であり、賃金は正社員の男性の68%、非正規を含めると53%。妊娠・出産、育児休業取得を理由とする解雇などが広がり、違法な差別も横行している。30歳代の労働力率は資本主義国24か国中23位と、女性が最も働きにくい国となっていることを、きちんと指摘すべきである。

(2)派遣、パート、有期雇用労働者の均等待遇の権利確立、男女賃金格差是正、昇進・昇格差別是正、企業による不利益な解雇・退職勧奨をやめさせることを、国に対して求めることも明記すること。

(3)施策の方向のなかでは、女性の起業・就労支援が示されている。とくに女性の自営業者は妊娠・出産や病気・けがの休業補償がないので、こういった制度の創設を国や都に求めるべきである。

(4)起業を望んでも、資金不足や家庭・子育てとの両立の問題など、女性ならではの困難を理由に断念したり、せっかく起業しても廃業せざるを得ない場合もある。起業に関する相談事業、講座の開催はもちろん必要だが、低利融資の拡充、子育てとの両立支援を国、都に求めるとともに区としても必要な手立てを講じるべきである。

(5)事業番号25の、「内職の紹介を行います」の「内職」とはどういう意味か。「内職」から連想されることは、家父長的な以前の日本の社会であり、男女平等、職業の男女の機会均等が大原則の現代社会では使うべきではない。

2.ワーク・ライフ・バランスの推進
2−1 仕事と生活の両立支援

家庭生活や意識の問題にとどめるのではなく、男女ともに労働時間の短縮、育児介護休業を、男女・正規非正規の区別なく安心して取得できるなど、労働条件の改善を国に求めることも明記すること。

2−2 子育て支援

(1)働く女性の7割弱が妊娠・出産を契機に離職を余儀なくされ、女性雇用のいわゆる「M字カーブ」が指摘されている。子育て世代の就労を保障するためにも、事業番号51番に、認可保育園の増設によって待機児の解消をはかることを明記すること。

(2)自主的な子育て団体・グループへの区の補助を追加すること。

3.人権が尊重される社会の形成
3−2 配偶者等からの暴力の防止

相談窓口・一時保育・自立支援施設など必要な体制が追いついていない現状から、配偶者暴力相談支援センターの増設と施設条件の改善、民間シェルターへの委託費増額と運営費への財政的支援、被害者が自立の準備をするためのステップハウスへの助成を、国や都に求めていくことを明記すること。

3−3 生涯にわたる健康支援

(1)都市部でも産科医不足が問題になっている中で、国や都に対し、産科医の育成・研修をすすめ、地域の産院・産科病院への公的支援を強めるよう強く求めること。

(2)多くの高齢女性が低額年金、無年金という状態に置かれている。男女の格差のない公的年金制度の確立、全額国庫負担の最低保障年金制度の創設など国に求めること。

4.男女平等・共同参画の推進体制の強化
4−4 国、東京都、他自治体との連携

   国連から繰り返し改善勧告が寄せられている、夫婦同姓を強制する制度や、女性のみの再婚禁止期間、男女別の婚姻最低年齢、婚外子への相続差別など、男女平等と人権尊重に反する遅れた制度やしくみを改めるため、国に対し、民法改正を強く求めること。

以 上

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